ハワイからなぜ口腔顔面痛の患者さんが私のところに来たのか
先日ハワイから口腔顔面痛患者さんが受診したことを書きました。私にとっての疑問はなぜこの患者さんが私を指名して受診したのかでした。
患者さんは几帳面な方で、予診票にここ数年の間に受診した医療機関の名前を正確記載してありました。そして、最近に一般歯科から紹介されて受診したENDO専門医のところで、歯原性では無いからENDO治療は適応で無いこと、非歯原性歯痛、口腔顔面痛の診療には米国本土か日本に行くことを勧められた。また、非歯原性歯痛に関するパンフレットを渡されて、それに元赤坂デンタルクリニックが書かれていたと言うことであった。
ENDO専門医の名前はNozomu Yamauchi先生でした、インターネントで検索したところ、University of North Carolina at Chapel Hill 2007卒業、2010年ENDOレジデント終了であることが判りました。University of North Carolina at Chapel HillはTMD、口腔顔面痛の世界では知らない人のいない故William Maixnerが在籍した大学です。さらに私にとってはもう一つのことで非常になじみ深い大学でした。神奈川歯科大学の同級生で沖縄宮古島出身の友利優一君の幼ななじみで大学時代にアパートで会った事のある医科歯科大学出身の山内三男先生が教授として在籍している大学です。そして、大学時代にクラブの先輩であった故木下静子さんが山内先生と結婚されて、同大学のENDO教室に在籍されていました。Orofacial PainクリニックがENDO教室に属していたので、メールをやりとりして様子をうかがったこともありました。
Nozomu Yamauchi先生がUniversity of North Carolina at Chapel Hill 出身だということが判って、絶対、山内三男先生と木下さんの子供さんだろうと思いました。次に、なぜ私のことを知ったのかの疑問は残りました。
この話をまず、鹿児島にいる友利君に話したところ、山内先生の子供さんがハワイで開業している事を知っていました。さらに、この話を口腔顔面痛オンラインセミナーで紹介したところ、参加していた宮本諭先生(現:慶應義塾大学医学部 共同利用研究室・細胞組織学研究室在籍)が骨代謝の研究でUniversity of North Carolina at Chapel Hillに留学していて、家族ぐるみの付き合いがあり、次男のNozomu君がハワイで開業していることを知っていました。
そこで、患者さんの診察結果報告を兼ねてNozomu Yamauchi先生にメールを送りました。 A small world for sure.という返事があり、私がご両親と交流があった事を知ってびっくりしていました。数年前にハワイから来た患者さんがいて、筋筋膜性歯痛だったので非歯原性歯痛、筋筋膜性歯痛の解説パンフレットを渡しました。偶然にもその患者さんもNozomu Yamauchi先生を受診していたようで、それ以来、日本人の非歯原性歯痛の患者さんが受診した際にはそのパンフレットを活用して説明しているとのことでした。
私の作った非歯原性歯痛のパンフレットがハワイで活用されていることを知って、非常にうれしかったです、さらに、その先生が知り合いの息子さんだったという偶然にもびっくりでした。