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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用

冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用
 
口腔顔面痛の臨床では歯原性歯痛と非歯原性歯痛の鑑別診断のために冷却スプレーと診断的局所麻酔を頻用しています。
冷却スプレーを湿らせた綿棒に吹きかけると瞬時に約10度以下になります。これを健全歯の歯頚部に押しつけると5秒程度で冷たさを感じます。知覚過敏の歯では瞬時にズキンとした刺激痛が感じられ、数秒持続します。神経が死んでいる歯では当然何も反応がありません。一方、歯髄炎の場合には歯冠部歯髄だけの軽度の炎症でもズキンとした刺激痛に続いてドックンドックンとした拍動性の持続痛が生じます。歯髄の炎症が進行して根尖部まで進み、根尖の歯髄のみが炎症を起こしている場合には冷却綿棒を当ててから数秒して拍動性の持続痛が始まります。電気歯髄診断器は神経が生きている場合にビリビリと感じて歯髄の生死が判りますが、継発して痛みが生ずることがありません。冷刺激により痛みを発症させるのは患者としては負担になりますが、診断が確定されることが大きなポイントです。冷刺激により持続性の痛みが出てしまったら、すぐに局所麻酔をして痛みを止めて、抜髄処置等を行います。
このような状況で行った麻酔によって痛みが消えたと言う事は、この歯が痛みの発生源であったということの証明になります。そして、これが診断的局所麻酔の真価です。
例えば、患者さんがこの歯が痛いと訴えて来院した、診察したが患者さんがこの歯が痛いと言う歯には齲歯はなく、打診、冷刺激に反応せず、レントゲンでも異常は見つからない、さあどうしましょうか。患者さんが訴えた歯に本当に異常が無いかどうかを更に調べ、多少でも疑いがある場合には、特に今現在、自発痛がある場合にはその歯に診断的に局所麻酔をします。それに寄って痛みが消えた場合はやはりその歯が原因である可能性が高いと言う事になり、原因の精査をします。
患者さんが痛みを訴える歯が原因でない可能性が高い場合には他に歯に痛みがないかどうか、打診痛、冷刺激で反応を調べます。患者さんは下の歯が痛いと訴えたが上の歯であったり、その反対であったりすることも往々にしてあります。そして、打診痛、冷刺激で反応があった場合には痛みの原因になり得るかどうかを確認し、可能性がある場合にはその歯に診断的に局所麻酔をして痛みが消えるかどうか確認します。
上下顎全部の歯を調べても、痛みの原因として疑わしい歯が無い場合には、範囲を拡大して非歯原性歯痛の診査をします。非歯原性歯痛の原疾患診査の順番は、最初に神経障害性疼痛を調べます。左右上下顎の歯肉の感覚検査をします、触覚検査としてミラーの丸い縁で歯肉をさすります、痛みや、いやな感じは無いか、変な感じは無いかを聞き、更に左右比較してどうかを聞きます。そして、刺激した感覚が後に残らないかを確認します。次にピンセットの先で痛覚検査をします。これも他の部位と比較して強く痛みを感じる部分は無いか、そして左右を比較してどうかを尋ねていきます。触覚検査を同様に、終わった後に刺激した感覚が後に残らないかを確認します。触覚検査と痛覚検査で異常所見が認められない場合には神経障害性疼痛の可能性はないと判断できます。もし、何らかの感覚異常があった場合には、次に冷感覚、温感覚の診査をします。この時に冷感覚検査に歯痛診査で用いたのと同じ、湿らせた綿棒に冷却スプレーを吹きかけた冷刺激材を用います。
非歯原性歯痛の次の原疾患検査として、筋・筋膜疼痛を調べます。筋・筋膜疼痛の検査はトリガーポイントを探し、関連痛が出ないかどうか、そして関連痛が出たら、その痛みがFamiliar Pain(何時もの痛みかどうか)、主訴の歯痛が再現されるかどうかを調べます。筋肉を圧しているが、そことは離れた患者さんが痛いと訴えていた歯に痛みが感じられ、何時もの痛みが強くなったり、何か変化したりした場合には、患者さんの訴えていた歯の痛みは筋・筋膜疼痛による痛みの可能性が高まります。確定診断するには当該のトリガーポイントに診断的局所麻酔をして、元々の歯の痛みが消えるかどうかを調べます。筋・筋膜疼痛による関連痛としの歯痛であった場合には診断的局所麻酔により痛みが消えます。
このように冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用で、私の臨床では汎用しています。
 
 
2026年02月05日 12:51

顎関節症、口腔顔面痛の診査法ハイブリッドセミナー

顎関節症、口腔顔面痛の診査法ハイブリッドセミナー
先日、顎関節症、口腔顔面痛の本格的研修希望の方々に、対面で標準的診査法のHands onセミナーを行いました。Hands onとはまさに、手を使って研修する、手を取って教えるということです。各種のメディアが発達した現在にわざわざ対面で研修することもないだろうと考えられると思いますが、Hands onでしか伝えられない診査法があります。その代表が筋触診です。筋・筋膜性疼痛の元となる筋肉中の索状硬結とトリガーポイントを触診して見つけ出し、圧迫する事により関連痛を誘発することができる様になる事が目標です。
今回の診査法実習セミナーには、3つのねらいがあります。1)私が日常の診療で行っている診査法を解説しながらそのまま実施し、それを間近で見学して手順を理解してもらうこと。2)受講者の全員に患者役になってもらい、診査を受ける側から診査法を確認すること。3)診査を間近で見学し、自分が被験者になり診査を受けた後に、受講者同士で相互診査を行う、相互実習では和嶋と同じ診査が出来る様に被験者から診査部位、強さなどのフィードバックを受けながら、診査技術を高めること。
セミナー全体は反転授業形式で、事前に各診査の意義等をオンラインで説明して理解してもらった上で、対面で実技習得してもらう形式です。オンライン講義の後の対面Hands-on実技指導のハイブリッド型学習方式でもあります。
受講者の反応から、この方式が顎関節症、口腔顔面痛の診査法学習の有効な方法であるいう印象があり、今後も継続して行く予定です。
 
2025年09月03日 14:23

口腔顔面痛オンライン相談での自己筋痛診査

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口腔顔面痛オンライン相談での自己筋痛診査
口腔顔面痛診療は日本全国何処でも受けられるわけではないことから、数年前から口腔顔面痛のオンライン相談を受けています。診療ではなく相談としているのは、一度も対面診療せずにオンラインだけでは正しい診断、治療に制限があるからです。
オンラインでも神経障害性疼痛診査の為の感覚検査は通常の対面診査と同等に行えることを前述しました。https://wajima-ofp.com/blog_articles/1755509833.html
口腔顔面痛で最も一般的な筋・筋膜性疼痛診断のための筋圧痛診査は難しいです。オンラインでの有効な自己診査法を考えてみました。
  1. とりあえず、貴方の痛みのある側で頬杖をついてもらいます、その格好は手のひらに顎の先が上手く収まって頭の重さが支えられ、親指が顎の下、揃えた指4本で顎を包み、人差し指と中指が耳の付け根に当たっています。
  2. そのままの格好で、何回かかみしめてもらいます、揃えた指の中頃で波打つように咬筋が収縮します。その波打つ部分に指先を移動します、そして、また、何回かかみしめてもらい、指先でしっかり筋の波の頂点を確認しましょう。
  3. 指先を波の頂点に置いたまま、かみしめをやめて力を抜いてもらいます。筋肉の盛り上がりは消えましたが、指先でしっかり触ると少し硬い部分が残っています。指先に力をこめたままで、少しだけ、ゆっくり顔、頭全体を揺らしてみましょう。きっと、指先に触れる硬いコリコリした部分が行ったり来たり、場合によっては強い痛みを感じることもあるでしょう、痛みが強かったら圧す力を少し弛めましょう。少し痛みを感じる程度に圧したままで、数秒顎を揺らし続けてください、上手く顎を揺らすことが出来なかったら指先でコリコリをゴリゴリしてみましょう。どこか他のところに痛みが広がりませんかと関連痛を確認します。
筋・筋膜性歯痛の場合にはこのように筋肉のコリコリを圧していると何時もの歯痛が再現されます。
  1. 次に、反対側で頬杖ついてもらい、手のひらに顎の先が上手く収まって頭の重さが支えられ、親指が顎の下、揃えた指4本で顎を包み、人差し指と中指が耳の付け根に当たっていることを確認しましょう。
  2. 痛みのある側と同様に、かみしめてコリコリを確認し、コリコリに指先を移動して、少し痛みを感じる程度に圧したままで、数秒顎を揺らし続けてください、上手く顎を揺らすことが出来なかったら指先でコリコリをゴリゴリしてみましょう。どこか他のところに痛みが広がりませんかと関連痛を確認します。
オンライン相談の際にもなるべく自分の通常の対面での診療と同じ事をしようと思っています。オンラインでは相手の表情を観ながらの会話で医療面接は通常通りできます。痛みの構造化問診を順に行い、痛みの経過、現在の痛みの状況がある程度把握できます。口腔顔面痛の疫学的疾患頻度と長年の診療経験からいくつかの代表的な痛み疾患が浮いてきます。多いのは筋・筋膜性疼痛と神経障害性疼痛です。
この二つの疾患をオンラインで何とか可能性の有無を詰めようとおもって、試行錯誤しながらオンライン自己診査法を検討しています。
 
2025年08月19日 15:42

案内:顎関節症/口腔顔面痛診査法実技指導セミナー

案内:顎関節症/口腔顔面痛を正しく診断するための診査法実技指導セミナー
目的:顎関節症/口腔顔面痛の診断に必要な診査法を実技指導する。
本セミナー開催に当たっての和嶋の考えを記事にしてある。 https://wajima-ofp.com/blog_articles/1743771572.html
構成:1)オンラインでの診査実技の解説(Googlemeet)
2)対面での、少人数、診査法実技指導(会場:元赤坂デンタルクリニック)
3)クリニックでの診療見学(東京、元赤坂デンタルクリニック、札幌、風の杜歯科)
診査法実技指導項目:1)顎関節痛の診査、2)筋・筋膜性疼痛の診査、3)口腔内、顔面の感覚検査、4)12脳神経検査
セミナー開始予定日:2025年5月12日on-line
募集人数:五名限定
受講者に求める事:顎関節症/口腔顔面痛の診査技術の指導であるため、ある程度の基本的知識を持っていること、口腔顔面痛の臨床経験は問わない。
受講料:七万円(申し込み者に振込先を連絡)
応募締め切り:4月25日
応募方法:メール申しこみ、記載事項(氏名、所属、年齢、出身大学、メールアドレス)
申し込み先メールアドレス:wajima.ofp@gmail.com
セミナー予定日時(on-lineは原則第2月曜日20時始まり2時間、対面は10時-16時、診療見学10時-17時適宜)、形式:1)5月12日月曜日:on-line、2)6月9日月曜日:on-line、3)7月14日月曜日:on-line、4)8月31日日曜日:対面、5)9月8日月曜日:on-line、6)日程応相談:診療見学
その他の受講希望者への要望:1)現在、月例で行われている3つの口腔顔面痛関連オンラインセミナー(村岡先生主催慶應OFPオープンセミナー、坂本先生主催OFP-webセミナー、和嶋主催口腔顔面痛オンラインセミナー)を受講することを勧める。 2)本セミナー受講後に日本口腔顔面痛学会主催の口腔顔面痛臨床推論実習セミナーの受講を勧める。
セミナー内容等、受講に当たっての質問は wajima.ofp@gmail.com宛てに送ってください。
 
2025年04月06日 14:26

顎関節症/口腔顔面痛診査法実技指導セミナー企画の経緯

顎関節症/口腔顔面痛を正しく診断するための診査法実技指導セミナー企画の経緯
ここ数年、構想を練っていた口腔顔面痛診療に興味を持つ方々への診査法実技指導有料セミナーを開催する事を決断しました。概要は、前もってオンラインでビデオ等での指導を行った後に、クリニックに集まってもらい実技指導を行う。後日、クリニックに来てもらい和嶋の患者診療の実際を見学してもらう。期日、費用等の詳細は後述します。
  1. 個人で診査法実技指導有料セミナーを企画するに至ったきっかけ
顎関節症、口腔顔面痛に関するセミナーが日本顎関節学会、日本口腔顔面痛学会で行われている。ところが、私のクリニックを受診する患者さんの多くはいくつかの専門医療機関で治療を受けているが正しく診断されないために改善せずに来院する。一番の理由は正しい診査法が実施されていない為である。
学会と協働して必要なセミナーを行えば良いとも考えられるが、正しく伝えるには、私が米国のOrofacial painの先達から直接教わった診査法をHandsonで、私が受講者に触って、直接診査をして伝える必要がある。それには少人数でしかできない。
  1. 診査法実技指導有料セミナーではどのようなことをするのか
主目的の診査法実技指導のために、少人数の受講者に私のクリニックに集まってもらい、丸一日かけて実技指導を行う。和嶋による受講者診査とその後の受講者間での相互診査実習を行ってもらう。当日の診査法実技の理解のために、前もって数回On-lineにてビデオ等により説明する。診査法実技指導を受けてもらった後に、クリニックに来ていただき、和嶋の日常の顎関節症/口腔顔面痛患者診察を見学してもらう。また、希望者には札幌、風の杜歯科での和嶋の診療を見学もしてもらう。札幌での診療見学の特徴は一日で多数の多様な病態、症状の患者さんの診療を見学できることである。
診査法実技指導項目:1)顎関節痛の診査、2)筋・筋膜性疼痛の診査、3)口腔内、顔面の感覚検査、4)12脳神経検査
  1. 何故、今まで診査法実技指導有料セミナーの開催をためらっていたか
実技指導は対面でしかできない、和嶋が受講者全員に直接指導するには少人数でしかできない、お互いに真剣に指導する、学ぶ時間を共有したい。このような構想でのセミナーを和嶋がやって良いのかとずーっと長い間、思案していた。前述したように患者さんが正統な診査を受けていないために正しい診断に至らず症状が改善していない状況を診る度にもうやらなければと思っていた。日本口腔顔面痛学会創設メンバーの多くは第一線から離れ、臨床を続けている和嶋がやらないと正統な顎関節症/口腔顔面痛の診査、治療の伝承が出来なくなるとの危惧も感じて決断するに至った。
 
2025年04月04日 21:59

神経障害性疼痛に二次的に筋・筋膜疼痛発症

神経障害性疼痛に二次的に筋・筋膜疼痛発症例
初診時に主訴の疼痛部にallodynia、hyperalgesiaなどの感覚障害があり、慢性的に経過している場合は同側の咬筋に筋・筋膜性疼痛が認められる場合が多い。咬筋の圧痛誘発により関連痛として主訴の疼痛が再現される事が多い。このような場合には神経障害性疼痛を念頭におきながら、筋・筋膜性疼痛の治療を優先させる。ストレッチ、随意運動によりかみしめ中断などの行動変容を含むセルフマネージメンを指導する。約一ヶ月で筋症状が改善し、持続性の鈍痛が消失する場合もある。しかし、もう一つのピリピリ、ヒリヒリ、むずがゆい感じなどの症状は改善せず、まだ痛いですという訴えになる。
そこでもう一度、感覚検査を行う。結果は初診時よりもはっきりした感覚異常が認められる。ああ、やっぱり神経障害性疼痛が元にあったのだと認識せられる。神経障害性疼痛が発症した後に、痛みの為に筋緊張が生じて筋・筋膜性疼痛となった。筋・筋膜性疼痛の痛みが前面に出て、如何にも筋・筋膜性疼痛が原発の様に思える。でも、違っていた。
初診時に筋・筋膜性疼痛の筋触診を行わず、筋触診障害から神経障害性疼痛と診断して薬物療法を行っても、一ヶ月たっても全く効果無く、診断に混乱することになるであろう。
口腔顔面痛の診査として、初診時、再診時に筋触診、感覚検査を繰り替えることが重要であると何時も再認識させられる。
 
2025年02月21日 18:35

筋肉痛のセルフケアの要点

セルフケアストレッチ
筋肉痛の患者さんに実際に指導しているセルフケアの内容をまとめました。
先日公開された国際歯科研究学会(IADR)の顎関節症の標準治療でも、専門医指導での患者さん自身による治療(管理)が推奨されています。

筋肉の仕事は縮んで力を出すことです、かみしめたりして弱い力でも筋肉が縮んだままになっていると、そのままこわばって、血行が悪くなって痛みが出ます。 痛みを改善するには、これ以上に こわばらせないこと、こわばった筋肉をストレッチして伸ばすことが有効です。
筋肉痛の原因になっていることを見つけて、少しずつ修正しましょう。
  1. 普段の生活、特に集中時のアゴのこわばり、肩の持ち上がりなどに気をつける。 対応策:こわばりの有無に関わらず、気がついたら、金魚のように唇をパクパク、舌で上顎前歯部を舐める、肩を上げ下げする等、意識的に動かすことにより無意識のこわばりがキャンセルされる。
  2. 仕事中の姿勢の片寄りに気をつける(右手を前に出していると、身体が右に片寄る。頭の水平を保つために、左の後頸部の筋肉を緊張させて頭を起こすように調整している)    対応策:右手をなるべく手前に出さない、重心を意識的に左に移動させる
      作業時は手首クッション等で右手首を支える
  1. 生活の中で、前屈み(ストレートネック)になっていることに気づくこと     対応策:頭の頂点にフックを付けて上につり上げられた感じを意識して、身体を起こす。
  2. 仕事、家事などに長時間集中しすぎていませんか。 対応策:集中する時間を制限する、1時間に1度は休憩(45分集中、15分休む)
 
筋肉痛を改善するためには、緊張感をゆるめる、縮んだ筋肉を弛めたり、伸ばしたりしましょう。
  • 緊張感をゆるめる。 対応策:緊張している時は交感神経が強く働いています、それを調整するには、お水を飲むことと、ゆっくり腹式呼吸することが効果的です。腹式呼吸はお腹に手を当てて、お腹で手を持ち上げるようにすると簡単にできます、やってみましょう。
  • 緊張した筋肉をゆるめる。 具体法:力が入っていると言われても、力を入れているつもりがないので抜きようがない。そこで、肩を上にぎゅーっと最大の力で持ち上げ、1-2秒おいて、大げさにストーンと落とす、これを数回繰り返す。入れたつもりのない緊張は抜きようが無いが、自分で緊張させたものは緩める事ができる。 これを全身で行うことも効果的です。
  • 縮んでいる顎、首、肩の筋肉をストレッチしましょう。 対応策:筋のストレッチは痛くない程度で、一回一カ所30秒以上、一日3回以上繰り返す事が有効とされています。 顎のストレッチ:発泡スチロールのブロックを歯に挿み、腹式呼吸しながら30秒以上      
    首、肩のストレッチ:手で頭を真横に引っ張り、お腹を見る格好(反対側の後頸部が引っ張られる)で30秒以上、次に天井を見る格好(反対側の前部が引っ張られる)で30秒以上、これを手を代えて左右行う。顎のストレッチをしながらやるのも能率的で、かつ、効果的です。
 以上の筋肉痛に対するセルフケアは有効であることが科学的に確認され、世界中で推奨されています。毎日続けることにより3-4週でこわばりがほぐれる実感が得られると思います。
やってみて、痛みが増したり、具合の悪いことがありましたら、直ちに中止して、連絡してください。また、何か不明な点がありましたら、何時でもお尋ねください。
 
2025年02月13日 09:36

超音波併用のトリガーポイントプレッシャーリリース

今年も日本口腔顔面痛学会学術大会において、超音波併用のトリガーポイントプレッシャーリリースのハンズオンセミナーを行います。このブログでは学術大会抄録集の原稿を供覧して、ハンズオンセミナーの内容をいち早く紹介します。

本ハンズオンコースでは、超音波照射とトリガーポイント触診およびトリガーポイントプレッシャーリリースを実習してもらう。
筋・筋膜疼痛の最も有効な治療法は何かと尋ねると、多くの方々からトリガーポイント注射、最近ではボツリヌストキシン注射との答えが返ってくる。確か 
。に有効な治療法であるが、筋全体に緊張がある状況でトリガーポイントに注射しても期待するほどの効果が得られない。米国の口腔顔面痛センターでは筋・筋膜疼痛に対してどのような治療が行われているのか、基本的にセルフケアとして開口ストレッチとかみしめ中止指導、オフイス治療として超音波を併用したトリガーポイントプレッシャーリリースが行われる。
超音波併用トリガーポイントプレッシャーリリースの実際
超音波照射により筋肉の深部温度が3-4度上がり、トリガーポイントを構成するコラーゲンが軟化してリリースしやすくなる。深部温度が上がった状況でトリガーポイントである硬結部を1kg程度の圧でゆっくり起始部から停止部に、停止部から起始部に向かって一方向に筋を延ばすように指先を2-3cm程度滑らして、最初は途中でコリンと硬結部(英語ではbarrier垣根、進行を妨げる障害物)が指の下をくぐり抜けていくのを感じながらリリースする。次に、硬結を指先に感じながらくぐり抜けさせないように次第に圧力を約2-3kgに高め、指先が硬結部に乗り上げた状態で移動を止めて10-60秒間、指圧のように加圧することがポイントである。トリガーポイントの軟化、消失まで、超音波照射と術後に痛みが残らない程度に圧を高めてトリガーポイントプレッシャーリリースを繰り返えす。

ハンズオンセミナーの手順
受講者が2人一組となり、担当インストラクターの元に下記の手順で相互実習を行う。
  1. 咬筋を触診して、タウトバンド、トリガーポイントを触知、関連痛を確認する。
  2. 超音波照射(最初に、2W、90秒照射)を行い、照射部が加温されることを実感する。
  3. 咬筋全体の触診を行い、タウトバンド、硬結、トリガーポイントを再確認し、約1kgの加圧でトリガーポイントプレッシャーリリースを行う。
  4. その後は、超音波照射(2W、30秒)とトリガーポイントプレッシャーリリース(約2-3kg加圧)を繰り返す。
2024年08月22日 20:35

筋肉痛治療のポイントは 対症療法に加えて原因療法も

口腔顔面痛でも顎関節症でも、最も多い病態は筋肉痛である。特に慢性化した筋・筋膜性疼痛が一番のやっかいは病態である。かつて、筋肉痛では自発痛は起こらないと言う人もいたが、持続性の筋肉痛で受診する人は少なくない。良い例が肩こり、頸のこりなどによる緊張型頭痛である。元々の肩こり性の人が重いものを持ったり、緊張する場面にあったりすると頭が締め付けられるような感じになり、頭が重苦しく、嫌な感じの頭痛が生じ、数日続くことがある。今現在は緊張型頭痛と呼ばれるが、以前は筋緊張性頭痛と言われていた。筋の緊張だけでは無く、他に精神的緊張によっても起こることがあるということで、現在は筋が外されて緊張型頭痛となっている。精神が緊張するとどうして頭痛が生ずるのか、自律神経の交感神経が亢進し、筋肉組織のなかで筋収縮している部分の血管が緊張して充分な血液が供給されないからと言われている。収縮のためにエネルギーが必要な状況であるのに血管が収縮して血液供給が不足、この状況をEnergy Crisis(エネルギー危機)と言って筋痛の原因とされている。
筋肉痛の治療というと、まずマッサージ、ストレッチ、温罨法、指圧が挙げられる、また、最近では即時効果を求めてHydro Releaseやボトックス注射も多くなっているようです。
全ての病気の治療は原因療法と対症療法からなるのですが、どうも対症療法に目が行きがちで、上記の治療法には原因療法が含まれていません。
筋肉痛の原因療法は何でしょうか、筋への負荷の軽減を目的に筋を収縮させない、そのために、痛い筋を極力使わないことです。第一に咀嚼筋では痛い側で咀嚼しない事、また、フランスパンの様に最後までかみしめなければならない様な食べ物は避ける。次に、日中、何かに集中している時などに肩が持ち上がり、かみしめている状況になりがちです。このような状況を避けるために、気がついたら意識的に肩を上げ下げする、舌で口腔内を舐めるなどの「随意運動によるかみしめ中断運動」をしましょう。人間の身体は無意識に筋緊張していても、意識的にその部位を動かそうとすると無意識の緊張が解除されて、意識通りに動きます。これと全く異なって、こむら返りなどの痙攀では動かそうとしても解除されません。
これらの筋を過度に緊張させない、あるいは筋緊張を中断させる等の筋への働きかけに加えて、精神的緊張による交感神経亢進に対して腹式呼吸が勧められます。この呼吸法で、副交感神経が刺激され、緊張緩和にもつながります。
人間仰向けになると自然に腹式呼吸になります、この特性を活かして腹式呼吸を覚えましょう。仰向けになりへその少し上に手のひらを置きます、次にフーーと息を吐き出してみましょう、手の下のお腹が凹みます。凹みを感じたら、ゆっくり息を吸い込んで、凹んだお腹を膨らまして、お腹で手を持ち上げてみましょう。なるべく高く持ち上げて、一秒間保ちます、そして、解除、フーーとゆっくり吐き出します。数時間は1.2.3秒、4で1秒ホールド、そして解除、5.6.7秒、吐く時をなるべく長く出来る様に練習しましょう。この繰り返しをして、腹式呼吸を覚えましょう、そして、坐位でも立位でも腹式呼吸が出来る様になりましょう。緊張していると思ったらお腹に手を当てて、やってみましょう
子供の頃の深呼吸は思いっきり吸い込んで胸を拡げることから始まっていましたが、あれとはまたく違った呼吸法です。
 
2024年08月17日 10:17

歯痛でも中枢神経系が関与

慢性痛の基準である3ヶ月以上症状が続いている、これは一般歯科では多くないですが、TMD、口腔顔面痛では珍しくないことです。
従来の痛み治療は急性痛を前提としていて、特に歯科ではイケイケで痛いところに原因があるからそれに向かって進むというものでした、ところが慢性痛は違います。例外的に原因、病態が診断されていなかったために症状が続いているという例もあります。これは本来の慢性痛ではありません。
慢性痛例で思い知らされることは、歯が痛い、と言う症例に確実に局所麻酔をして、局所の感覚は消えたにもかかわらず、感じていた痛みの周辺部の痛みは消えたが中心部にジワーとして痛みが残っているという現象、要するに中枢要因が関連しているということです。一本の歯の痛みでもこのような事が観られ、歯の痛みが中枢神経系とつながり、痛みを感じる中枢が何らか変化している、末梢に向けて治療するだけでは直らないんだと改めて思い知らされることがあります。
典型例は、咬筋の筋・筋膜疼痛で下顎大臼歯部に持続痛がでて、歯科で抜髄、根管処置終了後も痛みは治らない、その後に当院受診。 抜髄歯には持続痛と打診痛があり、歯肉にはallodynia、咬筋のトリガーポイントを圧すと痛みが再現、FamiliarPainです。そこで当該歯に診断的局所麻酔、オトガイが鈍麻している程麻酔は効いていて打診痛が消えるが、持続痛は50%減のみで50%は残っている。このような症例では最初からトリプタノール、プレガバリン等で薬物療法を併用することもあります。筋・筋膜疼痛として治療して、持続痛、歯肉のallodyniaは消失したが打診痛は消えない例が一番難治です。上記のトリプタノール、プレガバリンの内服にはステントを使った局所外用薬物療法を併用します。総力戦ですが、難治です。これが一番大変な症例です。
出来れば抜髄等せずに、頑固な歯の痛みで来院してもらっていれば筋・筋膜疼痛の治療ですっきり治り、歯の打診痛で患者さんも私も苦しむ事が無かったのにと、思ってしまいます。
 
2024年04月29日 15:39

【English available】

【電話番号】
03-3478-5248

【住所】
〒107-0051
東京都港区元赤坂1-1-7
赤坂モートサイド505

【診療時間】
10:00~13:30
14:30-18:00

【診療日】
火曜日、金曜日、第3土曜午前
※第2火曜は休診し水曜に診療

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