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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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募集案内:2026診察法実技指導セミナー

2026 顎関節症・口腔顔面痛 診査法実技指導セミナー
― 明日から診療で使える「正しい診察・診断」を身につける ―

 

顎関節症や口腔顔面痛の患者さんに対して、
  • どこまで一般歯科で対応すべきか迷う
  • 痛みの原因が関節なのか筋肉なのか判断しにくい
  • 原因に関して咬合異常以外のことを知らない
  • 顔面の痛みやしびれへの対応に自信がない
そのように感じたことはないでしょうか。
顎関節症・口腔顔面痛の診療では、治療以上に「最初の診察・診断」が重要です。しかし、実際の診査法を実技として学ぶ機会は非常に限られているのが現状です。
そこで本セミナーでは、一般歯科の先生方が臨床で困りやすい症例に対応できるよう、診断に必要な診察技術を、オンライン講義+少人数対面実技で丁寧に指導します。

昨年度受講された先生方から再受講の希望もあり、内容の充実度には高い評価をいただいています。
本セミナー開催に当たっての和嶋の考えをまとめてあります。 実技指導セミナー企画意図    ハイブリッドセミナー

このセミナーで身につくこと
  • 顎関節痛の正しい診察法
  • 筋・筋膜性疼痛の診査法
  • 口腔・顔面の感覚検査
  • 脳神経診査の基本
  • 顎関節症・口腔顔面痛の臨床診断推論
  • 筋・筋膜性疼痛の基本的治療法
    「何を診れば診断できるのか」、「どこで専門医紹介を判断するのか」が明確になります。

開催形式
オンライン+対面ハイブリッドセミナー
1)オンライン講義(2時間 × 4回)
 診査法と診断の考え方を分かりやすく解説

2)対面少人数実技指導(5時間)
 実際に診察手技を体験しながら習得 会場:元赤坂デンタルクリニック

3)フォローアップオンライン(2時間 × 1回)
 実践後の疑問点を解消

4)専門クリニック診療見学(希望者)
 東京:元赤坂デンタルクリニック
 札幌:風の杜歯科

日程
  • 5月11日(月)オンライン
  • 6月8日(月)オンライン
  • 6月22日(月)オンライン
  • 7月6日(月)オンライン
  • 7月19日(日)対面実技
  • 8月24日(月)オンライン
  • 診療見学:日程応相談
※オンライン 20:00–22:00 ※対面 10:00–16:00

募集人数  新規受講者 5名限定
少人数制のため、実際の診察技術を直接丁寧に指導します。

受講料 7万円 (対面実技・オンラインフォロー・診療見学を含む)

このような先生におすすめ
  • 顎関節症、口腔顔面痛診療に苦手意識がある一般歯科医
  • 若手勤務医
  • 開業医で診断力を高めたい先生
  • 口腔顔面痛診療を基礎から学びたい先生
顎関節症/口腔顔面痛の臨床経験は問いません。 基本的な歯科診療経験があれば受講可能です。

応募締切  4月12日(日)
申込方法 メール:wajima.ofp@gmail.com
記載事項: 氏名/所属/年齢/メールアドレス



 
2026年03月19日 15:53

冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用

冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用
 
口腔顔面痛の臨床では歯原性歯痛と非歯原性歯痛の鑑別診断のために冷却スプレーと診断的局所麻酔を頻用しています。
冷却スプレーを湿らせた綿棒に吹きかけると瞬時に約10度以下になります。これを健全歯の歯頚部に押しつけると5秒程度で冷たさを感じます。知覚過敏の歯では瞬時にズキンとした刺激痛が感じられ、数秒持続します。神経が死んでいる歯では当然何も反応がありません。一方、歯髄炎の場合には歯冠部歯髄だけの軽度の炎症でもズキンとした刺激痛に続いてドックンドックンとした拍動性の持続痛が生じます。歯髄の炎症が進行して根尖部まで進み、根尖の歯髄のみが炎症を起こしている場合には冷却綿棒を当ててから数秒して拍動性の持続痛が始まります。電気歯髄診断器は神経が生きている場合にビリビリと感じて歯髄の生死が判りますが、継発して痛みが生ずることがありません。冷刺激により痛みを発症させるのは患者としては負担になりますが、診断が確定されることが大きなポイントです。冷刺激により持続性の痛みが出てしまったら、すぐに局所麻酔をして痛みを止めて、抜髄処置等を行います。
このような状況で行った麻酔によって痛みが消えたと言う事は、この歯が痛みの発生源であったということの証明になります。そして、これが診断的局所麻酔の真価です。
例えば、患者さんがこの歯が痛いと訴えて来院した、診察したが患者さんがこの歯が痛いと言う歯には齲歯はなく、打診、冷刺激に反応せず、レントゲンでも異常は見つからない、さあどうしましょうか。患者さんが訴えた歯に本当に異常が無いかどうかを更に調べ、多少でも疑いがある場合には、特に今現在、自発痛がある場合にはその歯に診断的に局所麻酔をします。それに寄って痛みが消えた場合はやはりその歯が原因である可能性が高いと言う事になり、原因の精査をします。
患者さんが痛みを訴える歯が原因でない可能性が高い場合には他に歯に痛みがないかどうか、打診痛、冷刺激で反応を調べます。患者さんは下の歯が痛いと訴えたが上の歯であったり、その反対であったりすることも往々にしてあります。そして、打診痛、冷刺激で反応があった場合には痛みの原因になり得るかどうかを確認し、可能性がある場合にはその歯に診断的に局所麻酔をして痛みが消えるかどうか確認します。
上下顎全部の歯を調べても、痛みの原因として疑わしい歯が無い場合には、範囲を拡大して非歯原性歯痛の診査をします。非歯原性歯痛の原疾患診査の順番は、最初に神経障害性疼痛を調べます。左右上下顎の歯肉の感覚検査をします、触覚検査としてミラーの丸い縁で歯肉をさすります、痛みや、いやな感じは無いか、変な感じは無いかを聞き、更に左右比較してどうかを聞きます。そして、刺激した感覚が後に残らないかを確認します。次にピンセットの先で痛覚検査をします。これも他の部位と比較して強く痛みを感じる部分は無いか、そして左右を比較してどうかを尋ねていきます。触覚検査を同様に、終わった後に刺激した感覚が後に残らないかを確認します。触覚検査と痛覚検査で異常所見が認められない場合には神経障害性疼痛の可能性はないと判断できます。もし、何らかの感覚異常があった場合には、次に冷感覚、温感覚の診査をします。この時に冷感覚検査に歯痛診査で用いたのと同じ、湿らせた綿棒に冷却スプレーを吹きかけた冷刺激材を用います。
非歯原性歯痛の次の原疾患検査として、筋・筋膜疼痛を調べます。筋・筋膜疼痛の検査はトリガーポイントを探し、関連痛が出ないかどうか、そして関連痛が出たら、その痛みがFamiliar Pain(何時もの痛みかどうか)、主訴の歯痛が再現されるかどうかを調べます。筋肉を圧しているが、そことは離れた患者さんが痛いと訴えていた歯に痛みが感じられ、何時もの痛みが強くなったり、何か変化したりした場合には、患者さんの訴えていた歯の痛みは筋・筋膜疼痛による痛みの可能性が高まります。確定診断するには当該のトリガーポイントに診断的局所麻酔をして、元々の歯の痛みが消えるかどうかを調べます。筋・筋膜疼痛による関連痛としの歯痛であった場合には診断的局所麻酔により痛みが消えます。
このように冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用で、私の臨床では汎用しています。
 
 
2026年02月05日 12:51

ホームページ情報と治療能力の解離

Homepageの情報と治療能力の解離
自院の宣伝のためにHomepageを作っています。書きためてあった原稿をいっぱい掲載していますから、患者さん向けなのか歯医者向けなのかと言われることがあります。最新の情報はブログとして書き加えています。
このブログのテーマは「Homepageの情報と治療能力の解離」ということで、Homepageに掲載されている内容とその医院の治療内容は必ずしも一致しないということです。当院に来院される患者さんのほとんどが既に数軒の歯科医院、病院、大学等で治療を受けたが、改善しないということで受診します。
問題は、受診した歯科医院で治療中に口腔顔面痛とか非歯原性歯痛の疑いがあるということはいっさい聞かなかったということです。何故、その歯科医院を受診したのかと訪ねると、Homepageをみたら非歯原性歯痛について詳しく解説してあったので治療も出来るだろうと思って受診したとのことでした。
2016年以降に卒業された歯科医師は国家試験出題範囲に非歯原性歯痛が含まれていますから、非歯原性歯痛の原疾患くらいの基本的な知識は持っているはずです。しかし、非歯原性歯痛で最も多い筋・筋膜疼痛診察のためのトリガーポイント診査、神経障害性疼痛診察のための感覚検査は大学時代では教わっていません、研修医時代にも非歯原性歯痛の患者さんを診ていないと思います。従って、自分が今、根管治療している歯痛の患者さんが非歯原性歯痛であっても、基本的な鑑別診断が出来ない事がほとんどです。
それでは、もし非歯原性歯痛の可能性があると思ったらどのような歯科を受診すれば良いのか、答えは日本口腔顔面痛学会認定医か専門医の資格をもっている先生を選ぶべきです。日本に数人しかいない米国口腔顔面痛認定医を持っている人は確実です。
 
 
2026年01月24日 15:10

ボツリヌス毒素の三叉神経痛、神経障害性疼痛への有効性

 ボツリヌス毒素(BoNT-A)の痛み神経系への作用が判ってきました。三叉神経痛、有痛性三叉神経ニューロパチーなどの痛みを改善出来る可能性があります。
正月休みに関連論文を読んでまとめました。
1.三叉神経痛には有効性が高い。原因療法として微小血管減圧術が確立されている典型的三叉神経痛は、Second Lineに位置付けられる。
二次性三叉神経痛は原因療法が絶対に必要である。
特発性三叉神経痛はカルバマゼピンが効果的であったとしても、服用期間が長期になる。パルス高周波が有効である事が判って来たので治療の選択肢として考えるべき。同列にBoNT-Aのトリガーゾーンあるいは当該神経枝の神経孔に注射も検討すべき。欠点はトリガーゾーンが筋の近くである場合には筋弛緩を生じさせる可能性が高いので注意が必要。
2.有痛性三叉神経ニューロパチー 各種薬物療法で効果が無かった場合、効果があって痛みは減ったが、まだ残っているという場合には試みる価値がある。BoNT-Aの注射部位は当該神経枝の神経孔、下顎枝であればオトガイ孔周囲に注射、なるべく拡散しないようにする。上顎枝の場合何処に注射するかが問題
3.慢性筋・筋膜疼痛は有効とする論文と無効とする論文がある。何が有効性を左右するか、中枢感作のあるなしの様です。中枢感作が生じている場合には末梢に作用しても、中枢感作を抑制する程の効果は無いので効果無しになるようです。
筋・筋膜疼痛の病態を侵害受容性疼痛だけとするか、中枢感作の要素が増えて痛覚変調性疼痛が混じっているかを判断して治療法を検討すべきです。
 
2026年01月06日 16:30

口腔顔面痛、非歯原性歯痛の臨床

口腔顔面痛、非歯原性歯痛の臨床で思うこと
 
口腔顔面痛とは、非歯原性歯痛に代表されるように歯が原因の痛みではない、他の病気による歯、口腔、顔面領域の痛み全般の事です。
簡単に言うと齲歯、歯髄炎、歯周炎などの従来から歯科で扱ってきた歯が原因の痛みではなく、全く異なる病気です。例えば、肩こりがひどくなると頭が痛くなる、歯が痛くなると言う人がいます。最も多いのは頬の部分にある咬筋という咬むための筋肉に凝りができることにより、歯には何も問題はないが、歯に痛みが感じられます。何故このような離れた部位の、歯とは直接関係の無い原因によって歯が痛くなるのか、その答えは歯が原因の痛みも、筋肉の痛みも、痛みの元となる痛み信号は神経を通って全て脳に達して痛みと感じられるからです。痛み神経の末端が刺激される事によって痛み信号が生じ、脳に至って痛みと感じられるまでには、三本の神経を乗り継ぎ、二つのつなぎ目を介します。その間に神経同士がまるでショートしたかのように電気信号を交換したり、神経が合流したり、また、電気信号の強度が弱められたり、強められたりして、最初に末端で生じた痛み信号と同じ強度で脳が痛みを感じるわけではありません、また、ショート、合流することにより発生元が異なる電気信号が届いてしまうこともあります。別な部位からのいたみということで異所性疼痛とか関連痛という用語を使います。
口腔顔面痛の臨床においては常に神経系がどのようにしてこの痛みを生じさせ、脳がどのようにしてこの痛みを感じているのかを推定して、診察し、正しく診断することに努めています。ところが、痛い歯の神経を抜けば痛みが止まるとか、止まらなかったら歯を抜けば良いじゃないかと短絡的に考えて、どうしてもこの歯の神経抜いてほしい、歯を抜いてほしいを訴える患者さんもいます。その歯に原因があるなら、一般歯科で簡単に診断が出来て、とっくに処置が済んでいるはずです。痛い歯に何もないので、今までの先生方は歯に触らず、今に至っているのですと説明します。
口腔顔面痛は比較的新しい学問、診療領域です。専門的な研究会が出来たのが2000年ですから、新しいと言っても四半世紀経過しました。その間に非歯原性歯痛は歯科医師国家試験の出題範囲に含まれ、口腔顔面痛とともに歯学部学生には必須の知識となっています
口腔顔面痛診療では、まず正しく診断することが求められます、冒頭に書いたように歯の病気で起こるのではないので、従来の歯学部教育にプラスされた知識が必要です。
具体的にどのような知識が必要かの疑問には、非歯原性歯痛の8つの原因疾患を解説することが答えになります。
1.筋・筋膜痛による歯痛、2. 神経障害性疼痛による歯痛、3. 神経血管性頭痛による歯痛(片頭痛、群発頭痛など)4. 上顎洞疾患による歯痛、5. 心臓疾患による歯痛(狭心症など)、6. 精神疾患または心理社会的要因による歯痛、7. 特発性歯痛(原因不明のもの)、8. その他の様々な疾患による歯痛(耳・鼻・目の疾患、顎の腫瘍、自己免疫疾患など、様々な病気が歯の痛みとして現れることもあります)
次号では代表的な筋・筋膜疼痛、神経障害性疼痛を説明します。
 
2025年12月29日 21:45

唐辛子、ミントと口腔顔面痛

唐辛子は食生活で欠かせない調味料の一つです。子供の頃は何であんな辛いものを美味しい料理にわざわざ掛けてまずくしているんだと思った記憶があります。でも、大人になって気がついたときにはそばには欠かせなくなり、キムチの辛いものも美味しく食べています。
ところが唐辛子は味物質ではなく、痛み刺激の一つなのです。唐辛子は痛み神経の末端にあるTRPV1という43度以上の熱さを痛いと感じる熱感受受容体の一つで、辛いと同時に熱いと感じます。ミントは26度以下の冷たさを痛いと感じる受容体TRPM8を刺激し、痛さは強く感じませんがスースーを感じます。このような一連の熱感受受容体の発見は2021年ノーベル医学賞の受賞対象でした。  北海道の北見市に行ったときに薄荷記念館を見学しました。ハッカの元は「薄荷」という中国語でした。
日常生活で、唐辛子、タバスコですごく辛いと感じたときに水を含むと辛さが和らぎます、氷を含めばもっと効果的です。これは何故かと考えたことありませんか。これは科学的に説明が出来るし、神経障害性疼痛の治療に応用されています。
科学的な根拠が3つあります、1)舌の感覚は口の中で特別敏感です、触覚、痛覚、冷温覚の統べてて歯肉に比べて遥かに敏感です。唐辛子、ミントに対しても非常に敏感です。従って辛くて熱く感じるのは舌です。
2)熱いを感じるTRPV1と冷たさを感じるTRPM8は相互に抑制しあいます。唐辛子でTRPV1の刺激の後でも前でも、ミントや冷たい水を含むと辛さを感じなくなります。TRPM8が冷たさ、ミントで刺激された結果、TRPV1の活動性が抑制されて辛さを感じなくなると言うことです。その反対もありますが、冷たさを和らげるために辛いものを含むのはナンセンスですから誰もやりません。
3)TRPV1、TRPM8とも繰り返し刺激をすると反応しなくなります。これは神経細胞が過剰に興奮することにブレーキを掛ける役目が働くためです。従って、辛いものを食べていると最初は辛い熱いと感じても、食べているうちに余り辛さを感じなくなると言うことです。
このような熱感受性受容体の特徴を舌痛症、神経障害性疼痛の治療に応用しています。
舌痛症の患者さんの舌では、元々敏感な舌が様々な外的刺激を受けて障害され熱感受受容体(TRPV1)やその他の過剰発現が明らかにされていて、ヒリヒリ感を生じていると考えられています。
舌痛症の患者さんで熱感覚過敏や冷感覚過敏のある人には、まずミントの希釈液でうがいとしてもらいます。最初に冷感覚が強く出ても5分もしないうちに感じなくなります。このような反応のある人には濃度を少しずつ高めて、頻回にうがいしてもらいます。続けることにより舌痛症の灼熱感が改善する人がいます。
ミントの効果が弱いか、全然反応が無い場合にはタバスコを希釈してうがいしてもらいます。ミントと同様に最初に灼熱感が強く出ても5分もしないうちに感じなくなります。反応のある人は強く辛さと熱さを感じますので、耐えられない場合にはもっと薄めて用います。このような反応のある人には耐えられる程度で濃度を少しずつ高めて、頻回にうがいしてもらいます。続けることにより舌痛症の灼熱感が改善する人がいます。
ミントによる効果は、2)のメカニズムです。冷たさを感じるTRPM8によって過剰発現した熱いを感じるTRPV1が抑制された結果と考えられます。
タバスコによる効果は3)のメカニズムです。TRPV1、TRPM8とも繰り返し刺激をすると過剰に興奮することにブレーキがかかり、強発現しているTRPV1が機能しなくなる結果と考えられます。
 

関連した症例を提示してあります。




 
2025年11月17日 15:51

帯状疱疹ワクチン予防接種と口腔顔面痛

この頃テレビで帯状疱疹ワクチン予防接種のコマーシャルをよく観ます。
2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になったからです。帯状疱疹は宮崎県における長年の統計によると、帯状疱疹は50歳以上で急に増えることが判っていて、更に50歳以上の人が帯状疱疹になると約二割の方が帯状疱疹後神経痛に移行してしまうことも判っています。
帯状疱疹は顔面、口腔内にも発生し、帯状疱疹後神経痛になる人がいて治療が大変です。ここが帯状疱疹ワクチン予防接種のコマーシャルと口腔顔面痛との関連性です。
帯状疱疹ウイルスは帯状疱疹だけではなく、ラムゼーハント症候群という顔面神経麻痺、味覚障害、難聴、耳の痛みと口腔内の帯状疱疹が生ずるというやっかいな病気を生じます、そして、後遺症として顔面神経麻痺が残り、帯状疱疹後神経痛が残ります。
帯状疱疹についてはもう一つ興味深い統計データがあります。2,014年10月から水痘ワクチン定期接種により小児の水痘が減り、子育て世代の20-40歳代が帯状疱疹ウイルスに曝露される機会が減って、「ブースター効果」による体内で抗体産生が無くなり帯状疱疹の発症率の増加につながっています。
将来、子供は水痘ワクチン定期接種、免疫が下がってくる20歳以上は帯状疱疹ワクチンの予防接種をすることになるかもしれません。
 
2025年11月16日 13:31

舌痛症の治療

口腔灼熱症候群(BMS)は、舌や唇、口の中全体に焼けるような痛みを感じる病気です。
日本では舌に症状が出ることが多く、「舌痛症」と呼ばれることもあります。
誰にでも起こる可能性がありますが、特に閉経後の女性に多く見られます。
見た目に傷や腫れがないため、原因不明のまま長期間悩む方も少なくありません。
•BMSは主に中高年女性に多く発症し、閉経前後の女性と男性の比率は7:1である。
•有病率は0.1%から3.7%、閉経後の女性における有病率は、12-18%とも言われています。
•BMSの有病率は60歳以降に著しく増加する。
•BMSの臨床症状の発症後 5 年から 6 年以内に完全な自然寛解を示す患者はわずか 3% から 4% であり、治療により症状が改善した患者は 50% 未満でした。
完全に治す方法はまだ確立されていませんが、治療によって痛みを軽くすることは可能です。

いろいろな研究によりBMSの本体は舌の表面の神経の傷害で、それに継発した神経障害性疼痛であり、更に中枢神経でも変化が生じているということが判ってきました。
和嶋のBMS舌痛症治療の手順をまとめました。

1.診断: 二次性BMSの除外、BMSの確定診断(ICHD3、ICOP)

2.病態説明:歯科医師がBMSの病態生理を判りやすく説明して、患者に自分の症状をしっかりと理解してもらうことが、回復の第一歩です。

3.末梢メカニズムへの対応:

局所療法含嗽:ミント、カプサイシン、クロナゼパム

内服療法:アミトリプチリン、プレガバリン、クロナゼパム

4.中枢メカニズムへの対応: アリピプラゾール(脳内のドパミンやセロトニンといった神経伝達物質のバランスを調整する)




 
2025年11月15日 16:54

舌痛症 口腔灼熱症候群とは

舌痛症 口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome:BMS)とは
従来、日本では心因性と言われていた舌痛症、世界的には口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome:BMS)と言われ、誘発因子としてストレス、不安など心因性が関わるが、基本的には神経障害性疼痛の一つであると言われいます。舌の神経支配は味覚を感じる顔面神経の枝の鼓索神経と感覚と痛みを感じる三叉神経の枝の舌神経からなっています。舌は味覚、感覚とも非常に敏感に出来ているので、ちょっとした刺激でも神経が刺激されて障害されてしまい、神経障害性疼痛となるようです。また、味覚の神経と痛みの神経のバランスが崩れるといろいろな症状が出ることが判ってきました。
12月の日本口腔顔面痛学会サテライトmeetingで舌痛症をテーマにすることから、改めてまとめてみました。
舌痛症の治療に関する記事 参照してください。 

口腔灼熱症候群(BMS)は、舌や唇、口の中全体に焼けるような痛みを感じる病気です。
日本では舌に症状が出ることが多く、「舌痛症」と呼ばれることもあります。
誰にでも起こる可能性がありますが、特に閉経後の女性に多く見られます。
見た目に傷や腫れがないため、原因不明のまま長期間悩む方も少なくありません。
完全に治す方法はまだ確立されていませんが、治療によって痛みを軽くすることは可能です。

どんな症状が出るの?
BMSの典型的な症状は、名前の通り「焼けるような熱感(灼熱感)」です。
「舌がジーンと熱い」「ヒリヒリ・ピリピリする」「コーヒーでやけどしたような感じ」と表現されます。
しかし、見た目には異常がなく、傷や腫れ、色の変化などは見られません。
多くの人では、
  • 朝起きた直後は症状が軽く、
  • 午前中から昼にかけて強くなり、
  • 食事中や睡眠中には一時的に楽になる、
    といったリズムがあります。
また、次のような症状を伴うこともあります:
  • 口の中が苦い・金属のような味がする
  • 唾液は出ているのに「口が乾いている」ように感じる
  • しびれ感を伴う
  • 症状が続くと気分が落ち込み、不安を感じる

原因と分類の考え方
BMSには、かつて一次性と二次性という分類がありました。
  • 一次性BMS:検査をしても原因が見つからないもの
  • 二次性BMS:ビタミン不足、糖尿病、薬の副作用など、他の原因によって起こるもの
しかし、現在の国際分類(ICOP 2020)では考え方が整理され、
明確な原因が特定された場合は「BMS」とは呼ばず
それぞれ「原因による灼熱感」として区別します。
つまり、「BMS」とは現在、原因が特定できない灼熱感を指します。

なりやすい人・関係する要因
BMSは特に次のような方に多く見られます。
  • 50歳以上の女性(閉経期・閉経後)
     → エストロゲン低下により味覚神経の感度が変化します。
  • 歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
  • 逆流性食道炎のある方
  • 糖尿病・シェーグレン症候群などの全身疾患がある方
  • 鉄・亜鉛・ビタミンB6・B12などの栄養不足
  • 長期服薬中(抗うつ薬・降圧薬など)
  • 過去の歯科治療後から症状が出た方
  • 精神的ストレス・不安・うつ状態を抱えている方
これらの要因が複雑に関係して、舌や口腔の神経が過敏化し、
痛みや灼熱感を感じるようになると考えられています。

診断の流れ
まずは歯科医院での診察が第一歩です。
見た目の異常や歯科的な病変がないかを確認し、必要に応じて専門医に紹介されます。
専門医では、次のような検査を行うことがあります。
  • 血液検査(貧血・糖尿病・ビタミン不足など)
  • アレルギー検査(食物・薬・金属など)
  • 唾液量の測定
  • 口腔スワブ検査(カンジダなどの感染確認)
  • 組織検査(まれに行う)
これらの結果に明らかな原因が見つからなければ、**口腔灼熱症候群(BMS)**と診断されます。

治療法について
BMSの原因は複数の要素が関係するため、個人差に応じた治療が必要です。
米国FDAで承認された特効薬はありませんが、いくつかの薬剤や方法が有効とされています。
薬物療法
  • **クロナゼパム(抗不安薬)**の含嗽または少量内服
  • **アミトリプチリン(トリプタノール)**などの抗うつ薬を少量使用
  • プレガバリン、ガバペンチンなどの神経過敏抑制薬を用いる場合もあります。
これらは痛みの感じ方を抑える神経調整薬として使用されます。
補助的治療・生活指導
  • ストレス緩和、睡眠の改善
  • 軽い運動やリラクゼーション
  • 栄養補給(鉄・ビタミンB群・亜鉛など)
  • 認知行動療法(CBT)や心理的サポート

自宅でできる痛み緩和の工夫
症状を軽くするために、次の方法を試してみましょう。
  • シュガーフリーガムや飴で唾液を促す
  • 冷たい水や氷を口に含む
  • 香辛料・酸味・熱い飲食物・アルコールを控える
  • アルコール入りマウスウォッシュを避ける
  • 禁煙・電子タバコの使用中止
これらは病気を“治す”方法ではありませんが、
一時的な痛みの軽減に役立ちます。

治療期間と経過
BMSは慢性化しやすく、治療せずに放置すると数か月〜数年続くことがあります。
適切な治療により、数週間〜数か月で症状が軽くなるケースもあります。
焦らずに医師や歯科医と連携し、
「症状をゼロにする」ではなく「生活を取り戻す」ことを目標に治療を続けることが大切です。

予防と再発予防
現時点で完全な予防法はありませんが、
次の点に注意することで再発のリスクを減らすことができます。
  • アルコール・カフェインのとり過ぎを控える
  • 熱すぎる・辛すぎる・酸っぱい食品を避ける
  • バランスの取れた食事でビタミン・鉄・亜鉛を補う
  • 睡眠不足・ストレスを溜めない生活を心がける

著者からのアドバイス
口の中が焼けるように痛いと、何も手につかなくなるほどつらいものです。
口腔灼熱症候群(BMS)は、見えない痛みであり、治療にも時間がかかります。
しかし、正しい理解と根気ある治療で、症状を和らげることは必ず可能です。
「もしかしてBMSかもしれない」と思ったら、まず歯科を受診してください。
そして、あなたの痛みを信じてくれる医師・歯科医師に相談しましょう。
痛みを分かち合いながら治療を続けることが、回復への第一歩です。
 
2025年10月19日 20:50

心理職向けの慢性疼痛に対する認知行動療法

先日、心理職向けの慢性疼痛に対する認知行動療法の一日コースを受けました。コースの内容とは別に、何時も聞いている医師、歯科医師向けの認知行動療法との違いが気になりました。多職種の特性を活かした慢性疼痛治療の有効性です。
医師、歯科医師は慢性疼痛の苦痛の「痛みの治療」しながら、完全回復させることの出来ない事により生ずる「苦悩に対応」しなければならない状況です。患者側からすると、あなたが痛みをちゃんと治療できないから私は苦悩を抱えてしまっているのでしょう、認知行動療法でごまかさないで痛みをちゃんととってください、という要求が何処までも続きます。このような状況ではどちらの治療も上手く進みませんし、治療の雰囲気は両者にとって不幸な状況です。
慢性疼痛治療に多職種が介入することにより、無責任ではなく役務を分担し、それぞれの特性を十分に発揮して治療を進められると思いました。
2025年09月28日 09:07

【English available】

【電話番号】
03-3478-5248

【住所】
〒107-0051
東京都港区元赤坂1-1-7
赤坂モートサイド505

【診療時間】
10:00~13:30
14:30-18:00

【診療日】
火曜日、金曜日、第3土曜午前
※第2火曜は休診し水曜に診療

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