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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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帯状疱疹ワクチン予防接種と口腔顔面痛

この頃テレビで帯状疱疹ワクチン予防接種のコマーシャルをよく観ます。
2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になったからです。帯状疱疹は宮崎県における長年の統計によると、帯状疱疹は50歳以上で急に増えることが判っていて、更に50歳以上の人が帯状疱疹になると約二割の方が帯状疱疹後神経痛に移行してしまうことも判っています。
帯状疱疹は顔面、口腔内にも発生し、帯状疱疹後神経痛になる人がいて治療が大変です。ここが帯状疱疹ワクチン予防接種のコマーシャルと口腔顔面痛との関連性です。
帯状疱疹ウイルスは帯状疱疹だけではなく、ラムゼーハント症候群という顔面神経麻痺、味覚障害、難聴、耳の痛みと口腔内の帯状疱疹が生ずるというやっかいな病気を生じます、そして、後遺症として顔面神経麻痺が残り、帯状疱疹後神経痛が残ります。
帯状疱疹についてはもう一つ興味深い統計データがあります。2,014年10月から水痘ワクチン定期接種により小児の水痘が減り、子育て世代の20-40歳代が帯状疱疹ウイルスに曝露される機会が減って、「ブースター効果」による体内で抗体産生が無くなり帯状疱疹の発症率の増加につながっています。
将来、子供は水痘ワクチン定期接種、免疫が下がってくる20歳以上は帯状疱疹ワクチンの予防接種をすることになるかもしれません。
 
2025年11月16日 13:31

舌痛症の治療

口腔灼熱症候群(BMS)は、舌や唇、口の中全体に焼けるような痛みを感じる病気です。
日本では舌に症状が出ることが多く、「舌痛症」と呼ばれることもあります。
誰にでも起こる可能性がありますが、特に閉経後の女性に多く見られます。
見た目に傷や腫れがないため、原因不明のまま長期間悩む方も少なくありません。
•BMSは主に中高年女性に多く発症し、閉経前後の女性と男性の比率は7:1である。
•有病率は0.1%から3.7%、閉経後の女性における有病率は、12-18%とも言われています。
•BMSの有病率は60歳以降に著しく増加する。
•BMSの臨床症状の発症後 5 年から 6 年以内に完全な自然寛解を示す患者はわずか 3% から 4% であり、治療により症状が改善した患者は 50% 未満でした。
完全に治す方法はまだ確立されていませんが、治療によって痛みを軽くすることは可能です。

いろいろな研究によりBMSの本体は舌の表面の神経の傷害で、それに継発した神経障害性疼痛であり、更に中枢神経でも変化が生じているということが判ってきました。
和嶋のBMS舌痛症治療の手順をまとめました。

1.診断: 二次性BMSの除外、BMSの確定診断(ICHD3、ICOP)

2.病態説明:歯科医師がBMSの病態生理を判りやすく説明して、患者に自分の症状をしっかりと理解してもらうことが、回復の第一歩です。

3.末梢メカニズムへの対応:

局所療法含嗽:ミント、カプサイシン、クロナゼパム

内服療法:アミトリプチリン、プレガバリン、クロナゼパム

4.中枢メカニズムへの対応: アリピプラゾール(脳内のドパミンやセロトニンといった神経伝達物質のバランスを調整する)




 
2025年11月15日 16:54

舌痛症 口腔灼熱症候群とは

舌痛症 口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome:BMS)とは
従来、日本では心因性と言われていた舌痛症、世界的には口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome:BMS)と言われ、誘発因子としてストレス、不安など心因性が関わるが、基本的には神経障害性疼痛の一つであると言われいます。舌の神経支配は味覚を感じる顔面神経の枝の鼓索神経と感覚と痛みを感じる三叉神経の枝の舌神経からなっています。舌は味覚、感覚とも非常に敏感に出来ているので、ちょっとした刺激でも神経が刺激されて障害されてしまい、神経障害性疼痛となるようです。また、味覚の神経と痛みの神経のバランスが崩れるといろいろな症状が出ることが判ってきました。
12月の日本口腔顔面痛学会サテライトmeetingで舌痛症をテーマにすることから、改めてまとめてみました。
舌痛症の治療に関する記事 参照してください。 

口腔灼熱症候群(BMS)は、舌や唇、口の中全体に焼けるような痛みを感じる病気です。
日本では舌に症状が出ることが多く、「舌痛症」と呼ばれることもあります。
誰にでも起こる可能性がありますが、特に閉経後の女性に多く見られます。
見た目に傷や腫れがないため、原因不明のまま長期間悩む方も少なくありません。
完全に治す方法はまだ確立されていませんが、治療によって痛みを軽くすることは可能です。

どんな症状が出るの?
BMSの典型的な症状は、名前の通り「焼けるような熱感(灼熱感)」です。
「舌がジーンと熱い」「ヒリヒリ・ピリピリする」「コーヒーでやけどしたような感じ」と表現されます。
しかし、見た目には異常がなく、傷や腫れ、色の変化などは見られません。
多くの人では、
  • 朝起きた直後は症状が軽く、
  • 午前中から昼にかけて強くなり、
  • 食事中や睡眠中には一時的に楽になる、
    といったリズムがあります。
また、次のような症状を伴うこともあります:
  • 口の中が苦い・金属のような味がする
  • 唾液は出ているのに「口が乾いている」ように感じる
  • しびれ感を伴う
  • 症状が続くと気分が落ち込み、不安を感じる

原因と分類の考え方
BMSには、かつて一次性と二次性という分類がありました。
  • 一次性BMS:検査をしても原因が見つからないもの
  • 二次性BMS:ビタミン不足、糖尿病、薬の副作用など、他の原因によって起こるもの
しかし、現在の国際分類(ICOP 2020)では考え方が整理され、
明確な原因が特定された場合は「BMS」とは呼ばず
それぞれ「原因による灼熱感」として区別します。
つまり、「BMS」とは現在、原因が特定できない灼熱感を指します。

なりやすい人・関係する要因
BMSは特に次のような方に多く見られます。
  • 50歳以上の女性(閉経期・閉経後)
     → エストロゲン低下により味覚神経の感度が変化します。
  • 歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
  • 逆流性食道炎のある方
  • 糖尿病・シェーグレン症候群などの全身疾患がある方
  • 鉄・亜鉛・ビタミンB6・B12などの栄養不足
  • 長期服薬中(抗うつ薬・降圧薬など)
  • 過去の歯科治療後から症状が出た方
  • 精神的ストレス・不安・うつ状態を抱えている方
これらの要因が複雑に関係して、舌や口腔の神経が過敏化し、
痛みや灼熱感を感じるようになると考えられています。

診断の流れ
まずは歯科医院での診察が第一歩です。
見た目の異常や歯科的な病変がないかを確認し、必要に応じて専門医に紹介されます。
専門医では、次のような検査を行うことがあります。
  • 血液検査(貧血・糖尿病・ビタミン不足など)
  • アレルギー検査(食物・薬・金属など)
  • 唾液量の測定
  • 口腔スワブ検査(カンジダなどの感染確認)
  • 組織検査(まれに行う)
これらの結果に明らかな原因が見つからなければ、**口腔灼熱症候群(BMS)**と診断されます。

治療法について
BMSの原因は複数の要素が関係するため、個人差に応じた治療が必要です。
米国FDAで承認された特効薬はありませんが、いくつかの薬剤や方法が有効とされています。
薬物療法
  • **クロナゼパム(抗不安薬)**の含嗽または少量内服
  • **アミトリプチリン(トリプタノール)**などの抗うつ薬を少量使用
  • プレガバリン、ガバペンチンなどの神経過敏抑制薬を用いる場合もあります。
これらは痛みの感じ方を抑える神経調整薬として使用されます。
補助的治療・生活指導
  • ストレス緩和、睡眠の改善
  • 軽い運動やリラクゼーション
  • 栄養補給(鉄・ビタミンB群・亜鉛など)
  • 認知行動療法(CBT)や心理的サポート

自宅でできる痛み緩和の工夫
症状を軽くするために、次の方法を試してみましょう。
  • シュガーフリーガムや飴で唾液を促す
  • 冷たい水や氷を口に含む
  • 香辛料・酸味・熱い飲食物・アルコールを控える
  • アルコール入りマウスウォッシュを避ける
  • 禁煙・電子タバコの使用中止
これらは病気を“治す”方法ではありませんが、
一時的な痛みの軽減に役立ちます。

治療期間と経過
BMSは慢性化しやすく、治療せずに放置すると数か月〜数年続くことがあります。
適切な治療により、数週間〜数か月で症状が軽くなるケースもあります。
焦らずに医師や歯科医と連携し、
「症状をゼロにする」ではなく「生活を取り戻す」ことを目標に治療を続けることが大切です。

予防と再発予防
現時点で完全な予防法はありませんが、
次の点に注意することで再発のリスクを減らすことができます。
  • アルコール・カフェインのとり過ぎを控える
  • 熱すぎる・辛すぎる・酸っぱい食品を避ける
  • バランスの取れた食事でビタミン・鉄・亜鉛を補う
  • 睡眠不足・ストレスを溜めない生活を心がける

著者からのアドバイス
口の中が焼けるように痛いと、何も手につかなくなるほどつらいものです。
口腔灼熱症候群(BMS)は、見えない痛みであり、治療にも時間がかかります。
しかし、正しい理解と根気ある治療で、症状を和らげることは必ず可能です。
「もしかしてBMSかもしれない」と思ったら、まず歯科を受診してください。
そして、あなたの痛みを信じてくれる医師・歯科医師に相談しましょう。
痛みを分かち合いながら治療を続けることが、回復への第一歩です。
 
2025年10月19日 20:50

心理職向けの慢性疼痛に対する認知行動療法

先日、心理職向けの慢性疼痛に対する認知行動療法の一日コースを受けました。コースの内容とは別に、何時も聞いている医師、歯科医師向けの認知行動療法との違いが気になりました。多職種の特性を活かした慢性疼痛治療の有効性です。
医師、歯科医師は慢性疼痛の苦痛の「痛みの治療」しながら、完全回復させることの出来ない事により生ずる「苦悩に対応」しなければならない状況です。患者側からすると、あなたが痛みをちゃんと治療できないから私は苦悩を抱えてしまっているのでしょう、認知行動療法でごまかさないで痛みをちゃんととってください、という要求が何処までも続きます。このような状況ではどちらの治療も上手く進みませんし、治療の雰囲気は両者にとって不幸な状況です。
慢性疼痛治療に多職種が介入することにより、無責任ではなく役務を分担し、それぞれの特性を十分に発揮して治療を進められると思いました。
2025年09月28日 09:07

帯状疱疹後三叉神経痛は誤訳

国際口腔顔面痛分類(ICOP)、国際頭痛分類第3版(ICHD3)に見つかった大きな誤訳
この度、臨床推論実習セミナーの受講生から非常に違和感のある病名を聞かされました。「帯状疱疹後三叉神経痛」です。帯状疱疹の急性期が過ぎて、慢性化したときに持続的な痛みに発作性の痛みが混じることがあります。通常、これを帯状疱疹後神経痛と呼びます。
ところが、慢性化した持続的な痛みは帯状疱疹後神経痛で、そこに混じる発作性の痛みの病名は「帯状疱疹後三叉神経痛」が適切だろうという意見でした。なるほどと思うとともに大きな違和感がありました。そんな病名あったかと思って確認したら、国際口腔顔面痛分類(ICOP)は国際頭痛分類第3版(ICHD3)ともに確かにありました。
「帯状疱疹後三叉神経痛」を字面の通りに解釈すると、帯状疱疹後に起こる、あるいは帯状疱疹に罹患したことが原因で起こる三叉神経痛となります。もっともらしいのですが、これは大間違いで、「帯状疱疹後三叉神経痛」は誤訳です。
「帯状疱疹後三叉神経痛Trigeminal Post-Herpetic Neuralgia」は三叉神経痛の下分類では無く、三叉神経ニューロパチーの下分類として、帯状疱疹による有痛性三叉神経ニューロパチー、外傷後三叉神経ニューロパチーなどと並列に分類されています。つまり、三叉神経痛の下分類ではないのです。
ICHD3βでは明らかにニューロパチーが生じているということで「帯状疱疹後有痛性三叉神経ニューロパチーPost-Herpetic Trigeminal neuropathy」となっていました。しかし、やはり、帯状疱疹後神経痛Post-Herpetic Neuralgiaという用語が普及していることから、ICHD3では再度、改訂されました。ここで誤訳が発生したのです。
帯状疱疹後三叉神経痛の原文はTrigeminal Post-Herpetic Neuralgiaでした。ICHD3βの帯状疱疹後有痛性三叉神経ニューロパチーPost-Herpetic Trigeminal neuropathy」とではtrigeminalの位置が異なります。Trigeminal Post-Herpetic Neuralgiaでは敢えて先頭にtrigeminalを置いてあります。
中間神経の項に類似の分類があります。有痛性中間神経ニューロパチーの下分類に、帯状疱疹後中間神経痛があり、その英文はPost-Herpetic Neuralgia of nervus intermediusです。帯状疱疹後中間神経痛も誤訳です。
帯状疱疹後三叉神経痛Trigeminal Post-Herpetic Neuralgia
帯状疱疹後中間神経痛Post-Herpetic Neuralgia of nervus intermedius
並べて見ると、同じ分類なのに英文に統一性がないのも気になりますが、敢えて帯状疱疹後神経痛という病態を元に英文と日本文を修正するなら、
Trigeminal Post-Herpetic Neuralgia 三叉神経帯状疱疹後神経痛
Nervus intermedius Post-Herpetic Neuralgia 中間神経帯状疱疹後神経痛
これが適切と思います。
国際頭痛分類第4版への改訂が進められているそうです、発刊されるとすぐに日本語訳が出来ますので、間違いが出ないように担当の先生に今から連絡しておこうと思います。
 
 
2025年09月26日 09:17

顎関節症、歯ぎしり、スプリントに関する最新見解

顎関節症(TMD)におけるスプリント治療の最新論文から
歯科におけるスプリントに関するエビデンスは比較的弱く、決定的なものではありません。歯科医師は、歯科スプリントの歴史的発展とその背景にあるエビデンスを理解することが重要です。
TMD症例に取り組む際には、臨床医は病状に影響を及ぼす可能性のある全身的要因も認識しておく必要があります。
現時点では、特定のスプリントの材質、デザイン、または原理が他よりも優れている、または劣っているというエビデンスはありません。
顎関節症治療では関節痛障害、筋痛障害など診断を確定し、適切なスプリントの使用などの個別対応戦略を、薬物療法、理学療法、行動変容、認知行動療法、心理社会的カウンセリングなどの他の治療法と組み合わせて行うことが、慢性TMD症例の管理において最も有効であることが実証されており、再発防止にも重要な役割を果たします。
TMDを管理する歯科医師は、TMJ関連の筋骨格障害を単なる歯科の問題として扱うのではなく、「整形外科的存在」として捉える必要があります。
顎関節症のポイント
•TMD の管理を成功させるには、正確な診断が不可欠です。
•現在の顎関節症治療の進歩は、古い機械的、咬合治療から、学際的、生物心理社会的治療プロトコルと完全な口腔顔面痛の診断プロセスへと移行しています。
•咬合と TMD の因果関係を証明する有効な科学的証拠はまったくありません。
•スプリント療法や理学療法などの比較的短期的な治療法は、単純な症例では良好な結果をもたらします。
•咬合調整は不可逆的であり、顎関節症(TMD)および慢性顎関節痛の治療において効果は限定的、あるいは全くありません。顎関節症および歯ぎしりの治療を目的とした従来の咬合調整には、科学的根拠が欠けています。
•TMD および歯ぎしりの患者に影響を与える全身合併症を認識し、適切に治療することが重要です。

ブラキシズムの概念は過去数十年間で大きく変化した。
• 現在ブラキシズムは障害ではなく、様々な基礎疾患の影響を受ける筋行動とみなされている。歯ぎしりは現在、様々な基礎疾患の影響を受ける筋行動とみなされている。
• 閉塞性無呼吸発作に対して歯ぎしりは保護的役割を果たす可能性がある。
2025年09月06日 10:58

オンラインでも感覚検査が出来ます

オンラインでも感覚検査ができます
オンライン相談を受けていて、相談者の訴えの原因を直接探れないもどかしさから、オンラインでも実施可能ないくつかの診査法を考案して実施しています。もちろん、オンライン相談を申し込む方々は既にいろはいろな治療を受けたが改善していない事から心理的にも窮していることが多いので、傾聴、受容、共感の態度は必須です。
オンライン相談の経験から、実際の診療での診査と同等の診査を行えるのは感覚検査です。オンラインでの手順を説明します。
1)問診により、痛みの種類、痛み部位、経過等を聞きます。
神経障害性疼痛による痛みは、しびれやヒリヒリ、ピリピリ、うずき、灼熱感のように表現されることが多いです。また、三叉神経痛の場合にはビリッとかズキンとした発作性の電気ショック様の痛みを訴えます。
現症を聞くなかで最も重要な点は、痛みの範囲が三叉神経の痛みとして神経解剖学的に妥当であることで、三叉神経のどれかの枝に限局しているはずです。そして、その痛みの部位の神経を刺激するようなエピソードがあったはずです。例えば、抜歯、インプラント、切開、根管治療、歯根端切除術などの後に痛みが生じていることが多いです。
ここまで確認出来ると神経障害性疼痛の疑いが高まります。
2)次はいよいよ感覚検査です、   https://wajima-ofp.com/blog_articles/1755509833.html
前もって綿棒と爪楊枝、保冷剤で冷やした小さなスプーンを用意してもらいます。
麺棒で痛いところの歯として肉をさすってもらい、嫌な感じ、痛みがないかどうか、そして、対照として反対側の歯肉もさすってもらいます。どこかに嫌な感じ、痛いところがあったら、必ず左右を比べてもらいます、一回だけでは無く、何回か繰り返してもらいます。そして、さすった後に嫌な感じや痛みがあった部分になにか感覚が残らないかどうかの残感覚も確認します。次に爪楊枝でチクチク刺激してもらいます、他に比べて痛みが強いところがないかどうかを聞きます。何回か繰り返し、痛いところがあったら左右で比較します。触覚同様に残感覚も確認します。
歯肉の温冷感覚は鈍いのですぐには反応がでません、正常でも冷たさが感じられるまで10秒―20秒くらい掛かります。最初は痛みの無い側の歯肉に冷やしたスプーンをペタッと当ててもらいます。指で唇を引っ張って他に当たらないように気をつけて行ってもらいましょう。歯肉に冷たさが感じられたら何か合図してもらいましょう。何秒で冷たさが感じられたか確認しておきます。
もう一回保冷剤でスプーンを冷やして、麺棒で嫌な感じ、痛かった部位、そして、爪楊枝でチクチクが強かった部位にペタッと当てます。冷たさを感じるのに何秒かかりましたか、敏感ですぐに感じるか、鈍くなってなかなか感じないか、冷たさを感じないがじわーっと痛みが出ることもあります。痛みを感じたらすぐ離して、痛み感覚がどれくらい続くか観察してもらいましょう。
感覚検査は自分だけでも実施することが出来ます。特に害はありません。感覚検査で何らかの異常反応があった場合には神経障害性疼痛の可能性が高まります。ここまでの結果を元に専門医あるいは病院歯科等を受診するように勧めます。
 
2025年09月05日 18:48

口腔診断学会・口腔内科学会共催学会臨床推論シンポジュウム

臨床推論シンポジュウム
 
9月6日、仙台で開催される口腔診断学会・口腔内科学会共催学会において、口腔顔面痛学会コラボレーション・シンポジウムとして、「日々の診療に臨床推論を根付かせる~これからの歯科医師にどう教育するか~」が行われます。私は企画提案者として座長を務めます。
歯学部教育の指標となる「歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に臨床推論が新規作用され、令和6年入学生から教育する事が求められています。
臨床推論で求めているのは、臨床経験に基づいて行われる直感的思考(パターン認識法)から仮説演繹法に代表される分析的臨床推論を学習することです。本文には、主要な症候から鑑別すべき主な原因疾患が示され、その説明として、「症候から想定すべき代表的な原因疾患例等を記載したが、症候に該当する疾患を網羅しているわけではない。臨床推論では可能性のある症候や病態から原因疾患を鑑別診断するプロセスが重視され、原因疾患を単純に全て暗記することを期待しているものではない。」と記載され、明確に分析的臨床推論を学習することを求めています。
歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)抜粋
E-3-2 臨床推論 口腔・顎顔面領域の主な症候から病態生理学的に発症原因を推論し、分類、鑑別診断できる基本的能力を身に付ける。
学修目標:
E-3-2-1 主要な症候について原因と病態生理を理解している。
E-3-2-2 主要な症候について鑑別診断を検討し、診断の要点を説明できる。
E-3-2-3 臨床実習の現場で主訴から診断推論を組み立てられる。
E-3-2-4 臨床実習の現場における疾患の病態や疫学を理解している。
 
口腔顔面痛学会では10年以上前から痛みの診断方法として仮説演繹法を推奨し、その習得のために実習セミナーを行って来ました。日本口腔顔面痛学会認定医、専門医は痛み診断のための仮説演繹法をマスターし、痛み治療に活用しています。ところが、歯科全般としては歯学部教育のなかで臨床推論を学習する機会が無かったために、卒業後も各自の臨床経験に基づいて直感のようにパターン認識法で診断しています。臨床経験が多ければ直感でも正しい診断が出来ますが、如何に一つ一つの症例を解析して蓄積するかによって診断の正確さが変わります。少しでも症例の振り返りをすると症例の特徴が解析され整理されて記憶に残り、次に同じ様な症例を診たときにスムースに記憶が呼び起こされます
診断法の教育の場面ではパターン認識法は役に立ちません、研修医が指導医と一緒に臨床に立ち会っても、指導医の頭の中で考えていることは伝わってきません。研修機関における診断指導では診断のプロセスを可視化する事が必要です、その可視化のフォーマットの一つが仮説演繹法です。
https://wajima-ofp.com/blog_articles/1728088294.html
 
2025年09月04日 13:30

顎関節症、口腔顔面痛の診査法ハイブリッドセミナー

顎関節症、口腔顔面痛の診査法ハイブリッドセミナー
先日、顎関節症、口腔顔面痛の本格的研修希望の方々に、対面で標準的診査法のHands onセミナーを行いました。Hands onとはまさに、手を使って研修する、手を取って教えるということです。各種のメディアが発達した現在にわざわざ対面で研修することもないだろうと考えられると思いますが、Hands onでしか伝えられない診査法があります。その代表が筋触診です。筋・筋膜性疼痛の元となる筋肉中の索状硬結とトリガーポイントを触診して見つけ出し、圧迫する事により関連痛を誘発することができる様になる事が目標です。
今回の診査法実習セミナーには、3つのねらいがあります。1)私が日常の診療で行っている診査法を解説しながらそのまま実施し、それを間近で見学して手順を理解してもらうこと。2)受講者の全員に患者役になってもらい、診査を受ける側から診査法を確認すること。3)診査を間近で見学し、自分が被験者になり診査を受けた後に、受講者同士で相互診査を行う、相互実習では和嶋と同じ診査が出来る様に被験者から診査部位、強さなどのフィードバックを受けながら、診査技術を高めること。
セミナー全体は反転授業形式で、事前に各診査の意義等をオンラインで説明して理解してもらった上で、対面で実技習得してもらう形式です。オンライン講義の後の対面Hands-on実技指導のハイブリッド型学習方式でもあります。
受講者の反応から、この方式が顎関節症、口腔顔面痛の診査法学習の有効な方法であるいう印象があり、今後も継続して行く予定です。
 
2025年09月03日 14:23

口腔顔面痛オンライン相談での自己筋痛診査

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口腔顔面痛オンライン相談での自己筋痛診査
口腔顔面痛診療は日本全国何処でも受けられるわけではないことから、数年前から口腔顔面痛のオンライン相談を受けています。診療ではなく相談としているのは、一度も対面診療せずにオンラインだけでは正しい診断、治療に制限があるからです。
オンラインでも神経障害性疼痛診査の為の感覚検査は通常の対面診査と同等に行えることを前述しました。https://wajima-ofp.com/blog_articles/1755509833.html
口腔顔面痛で最も一般的な筋・筋膜性疼痛診断のための筋圧痛診査は難しいです。オンラインでの有効な自己診査法を考えてみました。
  1. とりあえず、貴方の痛みのある側で頬杖をついてもらいます、その格好は手のひらに顎の先が上手く収まって頭の重さが支えられ、親指が顎の下、揃えた指4本で顎を包み、人差し指と中指が耳の付け根に当たっています。
  2. そのままの格好で、何回かかみしめてもらいます、揃えた指の中頃で波打つように咬筋が収縮します。その波打つ部分に指先を移動します、そして、また、何回かかみしめてもらい、指先でしっかり筋の波の頂点を確認しましょう。
  3. 指先を波の頂点に置いたまま、かみしめをやめて力を抜いてもらいます。筋肉の盛り上がりは消えましたが、指先でしっかり触ると少し硬い部分が残っています。指先に力をこめたままで、少しだけ、ゆっくり顔、頭全体を揺らしてみましょう。きっと、指先に触れる硬いコリコリした部分が行ったり来たり、場合によっては強い痛みを感じることもあるでしょう、痛みが強かったら圧す力を少し弛めましょう。少し痛みを感じる程度に圧したままで、数秒顎を揺らし続けてください、上手く顎を揺らすことが出来なかったら指先でコリコリをゴリゴリしてみましょう。どこか他のところに痛みが広がりませんかと関連痛を確認します。
筋・筋膜性歯痛の場合にはこのように筋肉のコリコリを圧していると何時もの歯痛が再現されます。
  1. 次に、反対側で頬杖ついてもらい、手のひらに顎の先が上手く収まって頭の重さが支えられ、親指が顎の下、揃えた指4本で顎を包み、人差し指と中指が耳の付け根に当たっていることを確認しましょう。
  2. 痛みのある側と同様に、かみしめてコリコリを確認し、コリコリに指先を移動して、少し痛みを感じる程度に圧したままで、数秒顎を揺らし続けてください、上手く顎を揺らすことが出来なかったら指先でコリコリをゴリゴリしてみましょう。どこか他のところに痛みが広がりませんかと関連痛を確認します。
オンライン相談の際にもなるべく自分の通常の対面での診療と同じ事をしようと思っています。オンラインでは相手の表情を観ながらの会話で医療面接は通常通りできます。痛みの構造化問診を順に行い、痛みの経過、現在の痛みの状況がある程度把握できます。口腔顔面痛の疫学的疾患頻度と長年の診療経験からいくつかの代表的な痛み疾患が浮いてきます。多いのは筋・筋膜性疼痛と神経障害性疼痛です。
この二つの疾患をオンラインで何とか可能性の有無を詰めようとおもって、試行錯誤しながらオンライン自己診査法を検討しています。
 
2025年08月19日 15:42

【English available】

【電話番号】
03-3478-5248

【住所】
〒107-0051
東京都港区元赤坂1-1-7
赤坂モートサイド505

【診療時間】
10:00~13:30
14:30-18:00

【診療日】
火曜日、金曜日、第3土曜午前
※第2火曜は休診し水曜に診療

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