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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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ホームページ情報と治療能力の解離

Homepageの情報と治療能力の解離
自院の宣伝のためにHomepageを作っています。書きためてあった原稿をいっぱい掲載していますから、患者さん向けなのか歯医者向けなのかと言われることがあります。最新の情報はブログとして書き加えています。
このブログのテーマは「Homepageの情報と治療能力の解離」ということで、Homepageに掲載されている内容とその医院の治療内容は必ずしも一致しないということです。当院に来院される患者さんのほとんどが既に数軒の歯科医院、病院、大学等で治療を受けたが、改善しないということで受診します。
問題は、受診した歯科医院で治療中に口腔顔面痛とか非歯原性歯痛の疑いがあるということはいっさい聞かなかったということです。何故、その歯科医院を受診したのかと訪ねると、Homepageをみたら非歯原性歯痛について詳しく解説してあったので治療も出来るだろうと思って受診したとのことでした。
2016年以降に卒業された歯科医師は国家試験出題範囲に非歯原性歯痛が含まれていますから、非歯原性歯痛の原疾患くらいの基本的な知識は持っているはずです。しかし、非歯原性歯痛で最も多い筋・筋膜疼痛診察のためのトリガーポイント診査、神経障害性疼痛診察のための感覚検査は大学時代では教わっていません、研修医時代にも非歯原性歯痛の患者さんを診ていないと思います。従って、自分が今、根管治療している歯痛の患者さんが非歯原性歯痛であっても、基本的な鑑別診断が出来ない事がほとんどです。
それでは、もし非歯原性歯痛の可能性があると思ったらどのような歯科を受診すれば良いのか、答えは日本口腔顔面痛学会認定医か専門医の資格をもっている先生を選ぶべきです。日本に数人しかいない米国口腔顔面痛認定医を持っている人は確実です。
 
 
2026年01月24日 15:10

ボツリヌス毒素の三叉神経痛、神経障害性疼痛への有効性

 ボツリヌス毒素(BoNT-A)の痛み神経系への作用が判ってきました。三叉神経痛、有痛性三叉神経ニューロパチーなどの痛みを改善出来る可能性があります。
正月休みに関連論文を読んでまとめました。
1.三叉神経痛には有効性が高い。原因療法として微小血管減圧術が確立されている典型的三叉神経痛は、Second Lineに位置付けられる。
二次性三叉神経痛は原因療法が絶対に必要である。
特発性三叉神経痛はカルバマゼピンが効果的であったとしても、服用期間が長期になる。パルス高周波が有効である事が判って来たので治療の選択肢として考えるべき。同列にBoNT-Aのトリガーゾーンあるいは当該神経枝の神経孔に注射も検討すべき。欠点はトリガーゾーンが筋の近くである場合には筋弛緩を生じさせる可能性が高いので注意が必要。
2.有痛性三叉神経ニューロパチー 各種薬物療法で効果が無かった場合、効果があって痛みは減ったが、まだ残っているという場合には試みる価値がある。BoNT-Aの注射部位は当該神経枝の神経孔、下顎枝であればオトガイ孔周囲に注射、なるべく拡散しないようにする。上顎枝の場合何処に注射するかが問題
3.慢性筋・筋膜疼痛は有効とする論文と無効とする論文がある。何が有効性を左右するか、中枢感作のあるなしの様です。中枢感作が生じている場合には末梢に作用しても、中枢感作を抑制する程の効果は無いので効果無しになるようです。
筋・筋膜疼痛の病態を侵害受容性疼痛だけとするか、中枢感作の要素が増えて痛覚変調性疼痛が混じっているかを判断して治療法を検討すべきです。
 
2026年01月06日 16:30

痛み神経に対するボツリヌス毒素(ボトックス®)の作用

有痛性三叉神経ニューロパチーにボツリヌス毒素(ボトックス®)は効くか
ボツリヌス毒素(ボトックス®)は筋弛緩剤としての効果は定評があり、既に多くの方がくいしばりの力を弱めるためなどに使われていると思います。
私がボツリヌス毒素A型(BoNT-A)に期待する効果は筋弛緩効果ではなく、もう一つの痛み神経に対する作用です。文献では片頭痛、三叉神経痛、有痛性三叉神経ニューロパチー、慢性筋・筋膜疼痛等に効果があると言われています。
昨年暮れに、徳島大学松香先生にボツリヌス毒素A型(BoNT-A)の神経障害性疼痛に対する効果についての動物実験結果を解説していただきました。
BoNT-Aが神経系に対してどのように作用するのかを多くの文献結果を合わせてまとめてみました。
BoNT-Aは注射された部位で運動神経、痛み神経の神経末端に取り込まれる。
運動神経と筋肉の接合部の運動神経に取り込まれ、神経から筋肉への「動け」という指令を伝えるアセチルコリンの放出を阻害する。これにより筋弛緩が生ずる。効果は数日で現れ、3〜4ヶ月程度持続する。
痛み神経に対する作用
  • 痛み神経の末端に取り込まれたBoNT-Aは、侵害受容器に作用してサブスタンスP、グルタミン酸、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)等の神経ペプチドの放出を止めて神経原性炎症を抑制する。
  • 神経に取り込まれたBoNT-Aは小胞となって神経の軸索流で中枢側に運ばれて、シナップス前膜まで到達しているのは確実、シナプスを越えて二次ニューロンに達するかは不確実。軸索流とは神経線維の中心部にある軸索の中を、神経細胞で作られた神経に必要な物質が双方向に運ばれている。
  • 軸索流で運ばれながら神経線維のTRPV1強発現を止めるて、異所性発火を抑制する。
  • 三叉神経節ではNaイオンチャネルの強発現を止め、サテライトグリアの活性を止める。そして、他の神経への短絡(ショート)による信号の伝達を止める、これによりAllodyniaを止めたり、関連痛を止めたりする。
  • シナプス前膜まで達したBoNT-Aは、神経末端での作用と同様にグルタミン酸、サブスタンスP(SP)、およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)等興奮性伝達物質の遊離を抑制する。この作用機序はシナプス前膜にある電位依存性Caチャネルα2δに作用するプレガバリンと同様です。
  • このように神経損傷によって興奮状態となった一次神経において、神経末端、神経線維、神経節、シナプス前膜において興奮を抑制し、シナプスでの痛み信号の持続的伝達による神経損傷による有痛性三叉神経ニューロパチーを改善する事となる。
  • 一次神経の興奮を改善することにより、間接的に中枢感作を抑制すると考えられる。
  • 一方、論文によっては、BoNT-A小胞はシナプスに遊離されて二次神経に取り込まれて、さらに上位の神経系に作用して中枢感作を抑制する可能性もあるとする見解も見られる

    次号では、上記のBoNT-Aの作用機序の理解の元に、有痛性三叉神経ニューロパチー、三叉神経痛、慢性筋・筋膜性疼痛に有効かどうかを検討します。

     

2026年01月06日 15:52

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