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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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痛み神経に対するボツリヌス毒素(ボトックス®)の作用

有痛性三叉神経ニューロパチーにボツリヌス毒素(ボトックス®)は効くか
ボツリヌス毒素(ボトックス®)は筋弛緩剤としての効果は定評があり、既に多くの方がくいしばりの力を弱めるためなどに使われていると思います。
私がボツリヌス毒素A型(BoNT-A)に期待する効果は筋弛緩効果ではなく、もう一つの痛み神経に対する作用です。文献では片頭痛、三叉神経痛、有痛性三叉神経ニューロパチー、慢性筋・筋膜疼痛等に効果があると言われています。
昨年暮れに、徳島大学松香先生にボツリヌス毒素A型(BoNT-A)の神経障害性疼痛に対する効果についての動物実験結果を解説していただきました。
BoNT-Aが神経系に対してどのように作用するのかを多くの文献結果を合わせてまとめてみました。
BoNT-Aは注射された部位で運動神経、痛み神経の神経末端に取り込まれる。
運動神経と筋肉の接合部の運動神経に取り込まれ、神経から筋肉への「動け」という指令を伝えるアセチルコリンの放出を阻害する。これにより筋弛緩が生ずる。効果は数日で現れ、3〜4ヶ月程度持続する。
痛み神経に対する作用
  • 痛み神経の末端に取り込まれたBoNT-Aは、侵害受容器に作用してサブスタンスP、グルタミン酸、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)等の神経ペプチドの放出を止めて神経原性炎症を抑制する。
  • 神経に取り込まれたBoNT-Aは小胞となって神経の軸索流で中枢側に運ばれて、シナップス前膜まで到達しているのは確実、シナプスを越えて二次ニューロンに達するかは不確実。軸索流とは神経線維の中心部にある軸索の中を、神経細胞で作られた神経に必要な物質が双方向に運ばれている。
  • 軸索流で運ばれながら神経線維のTRPV1強発現を止めるて、異所性発火を抑制する。
  • 三叉神経節ではNaイオンチャネルの強発現を止め、サテライトグリアの活性を止める。そして、他の神経への短絡(ショート)による信号の伝達を止める、これによりAllodyniaを止めたり、関連痛を止めたりする。
  • シナプス前膜まで達したBoNT-Aは、神経末端での作用と同様にグルタミン酸、サブスタンスP(SP)、およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)等興奮性伝達物質の遊離を抑制する。この作用機序はシナプス前膜にある電位依存性Caチャネルα2δに作用するプレガバリンと同様です。
  • このように神経損傷によって興奮状態となった一次神経において、神経末端、神経線維、神経節、シナプス前膜において興奮を抑制し、シナプスでの痛み信号の持続的伝達による神経損傷による有痛性三叉神経ニューロパチーを改善する事となる。
  • 一次神経の興奮を改善することにより、間接的に中枢感作を抑制すると考えられる。
  • 一方、論文によっては、BoNT-A小胞はシナプスに遊離されて二次神経に取り込まれて、さらに上位の神経系に作用して中枢感作を抑制する可能性もあるとする見解も見られる

    次号では、上記のBoNT-Aの作用機序の理解の元に、有痛性三叉神経ニューロパチー、三叉神経痛、慢性筋・筋膜性疼痛に有効かどうかを検討します。

     

2026年01月06日 15:52

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