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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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2026年2月の記事:ブログページ

学術大会会場集合は時代錯誤

今後の学会学術大会の開催形式について
コロナ禍によりリモートワークが拡がり、会社に出社しなくても仕事が出来ることが判りました、強制的社会実験でした。やはり、対面の機会も必要と言うことで出社する日が増えているようですが、使い分けができることは明らかになりました。
さて、学会学術大会をみるとコロナ禍の2-3年はオンライン開催でしたが、今はほとんど会場開催に戻っています。コロナ渦中のオンライン開催は今後の学術大会の開催形式を見直す良い機会だったと思うのですが、会場開催のメリットがそれ程多いのか、学術大会は会場開催という固定観念なのか。
コロナ禍以降、有料、無料のオンラインセミナーが非常に増えました、その理由は主催側では会場設定の手間費用が省かれたことによりセミナーを企画しやすくなったこと、参加者側は会場への往復の時間費用が不要になり、自宅で仕事が終わった後に参加できるようになったことなどだと思います。
私は2017年大学退職後、それまで医局内で行っていた症例検討会を発展させた内容でOn-lineセミナーを始めました。当時は今ほどZoom、GoogleMeetが使いやすくなく、慶應のシステムを使わせてもらっても時間制限、参加人数制限があり、GoogleMeetが時間制限無し、参加人数24人だったので、これを使い続けています。毎月第4土曜日の午後8時から約2時間いろいろなテーマで話して、参加者の皆さんとデスカッションしています。昔なら、会場を設定して、皆さんに集まってもらわなければならなかったのが北海道の先生も九州の先生も自宅から参加できるのですから本当に便利です。
On-lineセミナーの状況をみると、従来は学術大会の会場でしか聞けなかった講演がOn-lineで出来てしまう、大会場ではないことにより圧迫感、緊張感が下がりデスカッションがしやすくなっているというメリットがあります。学術大会であれ講演はOn-line、ポスターはPDFで充分です。お金を掛けるのは会場費ではなく、講演を事前収録してアーカイブに保存し、学術大会期日前にオンデマンドで視聴できるようにする。それでは会場参加、対面のメリットは何か、久し振りにあった旧友と雑談、臨床の疑問のヒントを交換、会場では事前に視聴した講演について演者とデスカッションする事でしょう。反転授業と言う授業形式があります。反転授業(Flipped Classroom)は、従来の「教室で講義、自宅で宿題」という学習手順を逆転させ、自宅で動画等の動画視聴で予習し、教室ではディスカッションや問題演習を行う教育手法です。知識の定着を高め、主体的な「アクティブ・ラーニング」を促進する効果があります。我田引水ですが、私は北海道大学の歯学部4年生のフロンティア歯学の中で痛みについて講義していて、コロナ禍以前から反転授業をしています。講義内容は事前にパワーポイントスライドショーにして視聴してもらい、講義担当時間はコロナ禍の間は学生さんは自宅で、コロナ以降は大学の講義室に集まってもらい質疑応答をしています。事前学習しているだけに鋭い質問も出てきます。
学術大会会場開催のメリットはハンズオンです、少人数の参加者に適切な人数のインストラクターがついて、診査法、手技による治療、ロールプレーなどを行うことだと思っています。
昨年の東京ビックサイトでのJapan pain Weekと称した痛み学会の合同学術大会は時代錯誤と思っています。同日ビックサイトの他会場で開催されていたのはコンピューター関連、半導体関連の見本市です、DXでもどうにもならない手に取って見れる機会を設けていました。
 
2026年02月18日 15:01

冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用

冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用
 
口腔顔面痛の臨床では歯原性歯痛と非歯原性歯痛の鑑別診断のために冷却スプレーと診断的局所麻酔を頻用しています。
冷却スプレーを湿らせた綿棒に吹きかけると瞬時に約10度以下になります。これを健全歯の歯頚部に押しつけると5秒程度で冷たさを感じます。知覚過敏の歯では瞬時にズキンとした刺激痛が感じられ、数秒持続します。神経が死んでいる歯では当然何も反応がありません。一方、歯髄炎の場合には歯冠部歯髄だけの軽度の炎症でもズキンとした刺激痛に続いてドックンドックンとした拍動性の持続痛が生じます。歯髄の炎症が進行して根尖部まで進み、根尖の歯髄のみが炎症を起こしている場合には冷却綿棒を当ててから数秒して拍動性の持続痛が始まります。電気歯髄診断器は神経が生きている場合にビリビリと感じて歯髄の生死が判りますが、継発して痛みが生ずることがありません。冷刺激により痛みを発症させるのは患者としては負担になりますが、診断が確定されることが大きなポイントです。冷刺激により持続性の痛みが出てしまったら、すぐに局所麻酔をして痛みを止めて、抜髄処置等を行います。
このような状況で行った麻酔によって痛みが消えたと言う事は、この歯が痛みの発生源であったということの証明になります。そして、これが診断的局所麻酔の真価です。
例えば、患者さんがこの歯が痛いと訴えて来院した、診察したが患者さんがこの歯が痛いと言う歯には齲歯はなく、打診、冷刺激に反応せず、レントゲンでも異常は見つからない、さあどうしましょうか。患者さんが訴えた歯に本当に異常が無いかどうかを更に調べ、多少でも疑いがある場合には、特に今現在、自発痛がある場合にはその歯に診断的に局所麻酔をします。それに寄って痛みが消えた場合はやはりその歯が原因である可能性が高いと言う事になり、原因の精査をします。
患者さんが痛みを訴える歯が原因でない可能性が高い場合には他に歯に痛みがないかどうか、打診痛、冷刺激で反応を調べます。患者さんは下の歯が痛いと訴えたが上の歯であったり、その反対であったりすることも往々にしてあります。そして、打診痛、冷刺激で反応があった場合には痛みの原因になり得るかどうかを確認し、可能性がある場合にはその歯に診断的に局所麻酔をして痛みが消えるかどうか確認します。
上下顎全部の歯を調べても、痛みの原因として疑わしい歯が無い場合には、範囲を拡大して非歯原性歯痛の診査をします。非歯原性歯痛の原疾患診査の順番は、最初に神経障害性疼痛を調べます。左右上下顎の歯肉の感覚検査をします、触覚検査としてミラーの丸い縁で歯肉をさすります、痛みや、いやな感じは無いか、変な感じは無いかを聞き、更に左右比較してどうかを聞きます。そして、刺激した感覚が後に残らないかを確認します。次にピンセットの先で痛覚検査をします。これも他の部位と比較して強く痛みを感じる部分は無いか、そして左右を比較してどうかを尋ねていきます。触覚検査を同様に、終わった後に刺激した感覚が後に残らないかを確認します。触覚検査と痛覚検査で異常所見が認められない場合には神経障害性疼痛の可能性はないと判断できます。もし、何らかの感覚異常があった場合には、次に冷感覚、温感覚の診査をします。この時に冷感覚検査に歯痛診査で用いたのと同じ、湿らせた綿棒に冷却スプレーを吹きかけた冷刺激材を用います。
非歯原性歯痛の次の原疾患検査として、筋・筋膜疼痛を調べます。筋・筋膜疼痛の検査はトリガーポイントを探し、関連痛が出ないかどうか、そして関連痛が出たら、その痛みがFamiliar Pain(何時もの痛みかどうか)、主訴の歯痛が再現されるかどうかを調べます。筋肉を圧しているが、そことは離れた患者さんが痛いと訴えていた歯に痛みが感じられ、何時もの痛みが強くなったり、何か変化したりした場合には、患者さんの訴えていた歯の痛みは筋・筋膜疼痛による痛みの可能性が高まります。確定診断するには当該のトリガーポイントに診断的局所麻酔をして、元々の歯の痛みが消えるかどうかを調べます。筋・筋膜疼痛による関連痛としの歯痛であった場合には診断的局所麻酔により痛みが消えます。
このように冷却スプレーと診断的局所麻酔は歯痛鑑別診断で非常に有用で、私の臨床では汎用しています。
 
 
2026年02月05日 12:51

海外学会参加費用からみた日本経済 私の愚痴

海外学会参加費用からみた日本経済 私の愚痴
昨年、久しぶりにワシントンDCで開催された米国口腔顔面痛学会(AAOP)に参加しました。コロナ前は大学に在籍し現役だったことから毎年参加していましたがコロナで中断されたままになっていました。大学に在籍していたころは海外学会で発表に対して年一回日当の補助がありました。日当だけで、往復飛行機代、現地での宿泊代は自分持ちです、まあ、それでも日当の補助はありがたかったです。そのころから気になっていたことは海外の宿泊費が高いことでした。国内では一万円以下で駅に近く、きれいいなビジネスホテルに泊まれるし、地方では5千円くらいのところもありました。ところが米国の学会が開かれる都市では200ドル(25000円)出さないとちゃんとしたホテルに泊まれませんでしたから、いつも学会場から少し離れた、安いところを探していました。学会に行くときは、朝起きたら学会場に行き、終わって夕方に帰り、寝るだけですから広い部屋は必要なく、ベッドとバストイレがあればいいだけです。
日本で生活しているには何も不自由はないのですが、いざ海外学会参加となると高い障壁ができていました。
今年の状況は米国の物価上昇によりもっと深刻です。二日半の日程で開催されるAAOPの参加費が非会員は1200ドル(約20万円)です、これに、飛行機代と宿泊費が加算されます。今年10月にタイで開催される国際疼痛学会(IASP)5日間で約千ドル(約15万円)です。宿泊は多少安いにしてもトータルの金額はかなり高額です。ちなみに日本の学会は二日間で1万5千円から高くて2万円です。
このような状況の元凶は円安と日本の国力の減衰です。2月8日に衆議院議員の選挙があり、消費税の引き下げが各党に共通した政策ですが、だれが消費税を下げなければならない状況にしたのでしょうか。
このように減衰しながらも大量の国債発行で保たれている日本で、円安の利得を目いっぱい活用しているのがインバウンドで来日している欧米勢です。彼らからみると今の日本の物価は半額セールでしょう。
ここまで読まれた方は何もわざわざ現地に赴かなくても、論文読めばいいし、オンラインもあるでしょうと言いたいと思います。もちろん活用しています、専門分野の口腔顔面痛関連でも毎週のように行われています。ところが現地で知り合いと対面でやり取りすることにより得られる情報は大きいのです。日頃、患者さん治療で感じた疑問点を専門の人に直接訪ね、自分の経験とデスカッションすることにより論文には書かれていない、貴重な情報が得られます。そして、あしたの治療に向けて自分を震え立たせることにもなります。
もう少し円高になり、せめて一ドル120円位になると、若手の人たちも行きやすくなると思います。
 
 
2026年02月04日 14:52

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