学術大会会場集合は時代錯誤
今後の学会学術大会の開催形式についてコロナ禍によりリモートワークが拡がり、会社に出社しなくても仕事が出来ることが判りました、強制的社会実験でした。やはり、対面の機会も必要と言うことで出社する日が増えているようですが、使い分けができることは明らかになりました。
さて、学会学術大会をみるとコロナ禍の2-3年はオンライン開催でしたが、今はほとんど会場開催に戻っています。コロナ渦中のオンライン開催は今後の学術大会の開催形式を見直す良い機会だったと思うのですが、会場開催のメリットがそれ程多いのか、学術大会は会場開催という固定観念なのか。
コロナ禍以降、有料、無料のオンラインセミナーが非常に増えました、その理由は主催側では会場設定の手間費用が省かれたことによりセミナーを企画しやすくなったこと、参加者側は会場への往復の時間費用が不要になり、自宅で仕事が終わった後に参加できるようになったことなどだと思います。
私は2017年大学退職後、それまで医局内で行っていた症例検討会を発展させた内容でOn-lineセミナーを始めました。当時は今ほどZoom、GoogleMeetが使いやすくなく、慶應のシステムを使わせてもらっても時間制限、参加人数制限があり、GoogleMeetが時間制限無し、参加人数24人だったので、これを使い続けています。毎月第4土曜日の午後8時から約2時間いろいろなテーマで話して、参加者の皆さんとデスカッションしています。昔なら、会場を設定して、皆さんに集まってもらわなければならなかったのが北海道の先生も九州の先生も自宅から参加できるのですから本当に便利です。
On-lineセミナーの状況をみると、従来は学術大会の会場でしか聞けなかった講演がOn-lineで出来てしまう、大会場ではないことにより圧迫感、緊張感が下がりデスカッションがしやすくなっているというメリットがあります。学術大会であれ講演はOn-line、ポスターはPDFで充分です。お金を掛けるのは会場費ではなく、講演を事前収録してアーカイブに保存し、学術大会期日前にオンデマンドで視聴できるようにする。それでは会場参加、対面のメリットは何か、久し振りにあった旧友と雑談、臨床の疑問のヒントを交換、会場では事前に視聴した講演について演者とデスカッションする事でしょう。反転授業と言う授業形式があります。反転授業(Flipped Classroom)は、従来の「教室で講義、自宅で宿題」という学習手順を逆転させ、自宅で動画等の動画視聴で予習し、教室ではディスカッションや問題演習を行う教育手法です。知識の定着を高め、主体的な「アクティブ・ラーニング」を促進する効果があります。我田引水ですが、私は北海道大学の歯学部4年生のフロンティア歯学の中で痛みについて講義していて、コロナ禍以前から反転授業をしています。講義内容は事前にパワーポイントスライドショーにして視聴してもらい、講義担当時間はコロナ禍の間は学生さんは自宅で、コロナ以降は大学の講義室に集まってもらい質疑応答をしています。事前学習しているだけに鋭い質問も出てきます。
学術大会会場開催のメリットはハンズオンです、少人数の参加者に適切な人数のインストラクターがついて、診査法、手技による治療、ロールプレーなどを行うことだと思っています。
昨年の東京ビックサイトでのJapan pain Weekと称した痛み学会の合同学術大会は時代錯誤と思っています。同日ビックサイトの他会場で開催されていたのはコンピューター関連、半導体関連の見本市です、DXでもどうにもならない手に取って見れる機会を設けていました。
2026年02月18日 15:01