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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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口角は噛み癖に引っ張られる 顔面非対称第2報 

第1報で顔面の非対称が何故起こるのか 和嶋仮説を説明しました。
咀嚼時に 食塊を歯に乗せるために 咀嚼筋と一緒に舌で食べ物を歯に寄せる、頬粘膜がピント張る、舌筋(舌下神経支配)、頬筋(顔面神経支配)と咬筋(三叉神経支配)が共同運動によって片側の表情筋の筋緊張によって顔面がねじれる。
 以上の食事の際の偏咀嚼による咀嚼筋表情筋の共同運動の結果、咀嚼側の顔面の変化に加えて日中、睡眠時のかみしめの際にも咀嚼筋が収縮するのと合わせて表情筋が緊張するため、上記の変化が一層強化される。
という、仮説です。
偏咀嚼による顔面のねじれが生ずる一番の原因は咀嚼に共同して生ずる表情筋の緊張です。表情筋は通常の筋は動かない骨に付着する起始からはじまりと動く骨の停止に付着します、従って筋緊張すると骨の位置が変化する場合があります。しかし、骨は単一の筋で動かされていないので、現実には位置変化はありません。ところが、表情筋は立ち上がりの起始は骨に付着しますが、動かす部分は骨ではなく口輪筋です、従って、表情筋が緊張すると口輪筋が片方に引っ張られて、結果的に片方の口角が後に引っ張られれてしまいます。これが顔面非対称の最たる点です。

ここ数年マスクをしているので顔面の非対称、口角のズレが目立ちませんが、マスクを外すと気になる人が多いと思います。
新しく総理大臣になられた岸田さん 口角が左奥に引かれ、左の目尻が下がり、左側頬部の筋の緊張があります。きっと、左側偏咀嚼と思います。表情筋の筋痛、咬筋の筋痛があるかも知れません。
表情筋の確認は、口腔内外の双指診で行います、触診しながら、いろいろな表情をしてもらいます、例えばイー と発音してもらうと笑筋が緊張します、薄い筋なので非常に敏感に反応します
咬筋に硬結、圧痛がある場合には表情筋にも圧痛が認められます、咬筋の圧痛よりも かなり強い圧痛です。表情筋の関連痛が歯痛として感じられることもあります。
審美歯科では白くする事が強調されていますが、顔面非対称の原因追及と改善も大きな歯科の仕事と思います。
原因の偏咀嚼を修正、その原因は欠損や干渉などの咬合の問題かも知れません。
口輪筋、表情筋、咀嚼筋の緊張に対してはまずはクセの確認、修正には理学療法による筋緊張緩和が適応と思います。
Wajima流では、ズレた側のほっぺたを膨らます練習をしてもらいます、これによりズレた側の表情筋のストレッチになり、健側の口角を引っ張ってズレて口輪筋を元に戻すことが出来ます。
2021年10月25日 20:36

開口ストレッチ アシストブロック

開口ストレッチアシスト
筋緊張への対応のなかでセルフケアの一つとして開口ストレッチを指導します。咀嚼筋障害の開口ストレッチの方法としては、UCLA(米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で舌を切歯乳頭につけたままで開口し、6秒保持を6セットが知られ、米国では一般的に行われています。
全身の筋障害へのストレッチが科学されて、1回30秒以上、一日3回以上を隔日に行うことによりストレッチの効果が持続するという結果があります。私はこの原則に基づいて開口ストレッチを患者さんに指導しています。以前は、30秒開口ストレッチを自力あるいは自分の手指で伸展させるように指導していました、ところが、30秒開口中に咬筋、側頭筋などが逆に緊張してしまうことが判りました。そこで開口保持のためのは発泡スチロール製の開口アシストブロックを開発しました。当クリニックの患者さんには順次配布しています。 使い方:軽く口を開けて、前歯の間に発泡スチロールブロックの30mmの小さい方から入れて、当たったところで止める。発泡スチロールにアゴを預けるつもりで開けるのを止めます。このまま30秒です、テレビを観ながらでも、音楽を機器ながらでも、発泡スチロールに歯が食い込んでもokです。
発泡スチロールですから自分でカッターで切って作れます、また、キレイに切るには電熱式の発泡スチロールカッターもあります。
 
2021年10月16日 08:50

顔面の非対称は噛み癖で起こる

表情筋
最近はテレビを観るのは、朝に出かける前に時刻を気にしながらニュースを観るくらいですが、気になるのはアナウンサーの顔面の非対称
顔がねじれていますよ、と言いたくなります、そのままにしていると、もっとひどくなりますよと
長い間、テレビ局の歯科診療室に週に一回勤務していました。其の頃、アナウンサーの皆さんに顔面の非対称の話をした事がありました。テレビで真正面から大写しになる人の顔がネジレているのはチャーミングポイントにはならない、直しましょう  整形外科的にはではなく、噛み癖を自覚して修正すること、バランシングコンタクトという咬合異常がある場合にはスプリントや咬合調整により改善できますよと伝えました。

顔面の非対称が何故起こるのか 和嶋仮説です、何処にも本格的研究はありません。
 舌筋(舌下神経支配)、頬筋(顔面神経支配)と咬筋(三叉神経支配)という神経支配の異なる筋肉が共同運動して片側の筋緊張によって顔面がねじれ非対称となります。
後方への偏位
1.かみ癖側に口角が引かれる(筋は通常、骨と骨を結んでいますが、表情筋は骨と口輪筋を結んでいるので、表情筋が緊張、拘縮することにより口輪、口角が引かれてしまいます。)
2.かみ癖側の頬部に凹凸が出来る、反対側は凹凸無く、ふっくら(筋緊張で頬部が筋肉質になり、非咀嚼側は脂肪によってふっくらのままです。)
下方への偏位
3.頬部の膨らみが下に落ちてくる
4.目尻が下がってくる、眼裂がやや細くなる(咬筋が緊張、拘縮することで目尻の皮膚が下方に引かれてしまいます。)

これらの変化が生ずる解剖学的、神経生理的解説、
咀嚼時に咬筋が収縮する、偏咀嚼で片側だけ活動させるために半側が大きくなる、特に咬筋の下部が肥大 (3)
咬筋は上下方向に収縮するので上の皮膚も収縮、これにより目尻が下がる (4)
 
咀嚼時に 食塊を歯に乗せるために 咀嚼筋と一緒に舌で食べ物を歯に寄せる、頬粘膜がピント張る、舌筋(舌下神経支配)、頬筋(顔面神経支配)と咬筋(三叉神経支配)が共同運動 
 
筋肉は骨と骨に付いていて、固定部分の骨の起始と動く部分の骨の停止に付着して、骨を動かします、ところが表情筋は固定部分の骨の起始と動く部分の口輪筋の停止に付着して、口唇を動かします。
頬筋は上部分、下部分に別れて、付け根は上下の骨 そこから前方に伸びて唇を動かす口輪筋に付く頬筋が収縮すると、頬粘膜が上下に引かれてピント張る、口角は後方に引かれる
偏咀嚼をしていると、片側の頬筋のみが活動し、口角が付け根の骨の方向 つまり 後ろに引かれてくる(1)、

咀嚼の際は頬筋だけでなく多くの表情筋が共同運動する、偏咀嚼では片側の表情筋が筋骨隆々的に凹凸が出来る  (2)
 
以上の食事の際の偏咀嚼による咀嚼筋表情筋の共同運動の結果、咀嚼側の顔面の変化に加えて日中、睡眠時のかみしめの際にも咀嚼筋が収縮するのと合わせて表情筋が緊張するため、上記の変化が一層強化される。(1.2.3.4)
という、和嶋の仮説です。
鏡の前で笑ってみましょう、この時にまさに笑筋が緊張して口角を後上方に引き上げます、左右を比較してみてください、非対称に片側に大きく引かれているようであれば、顔面非対称の可能性があります。
自己対策は、ズレのない側で咀嚼することを心がけることです。つまり、自分で何時もどちらで咬んでいるかを観察し、両方と言うよりも反対側で咀嚼するように心がけましょう。
積極的な修正は続編をお読みください。  https://wajima-ofp.com/blog_articles/1635161762.html
 
2021年10月13日 09:27