顎関節症、歯ぎしり、スプリントに関する最新見解
顎関節症(TMD)におけるスプリント治療の最新論文から歯科におけるスプリントに関するエビデンスは比較的弱く、決定的なものではありません。歯科医師は、歯科スプリントの歴史的発展とその背景にあるエビデンスを理解することが重要です。
TMD症例に取り組む際には、臨床医は病状に影響を及ぼす可能性のある全身的要因も認識しておく必要があります。
現時点では、特定のスプリントの材質、デザイン、または原理が他よりも優れている、または劣っているというエビデンスはありません。
顎関節症治療では関節痛障害、筋痛障害など診断を確定し、適切なスプリントの使用などの個別対応戦略を、薬物療法、理学療法、行動変容、認知行動療法、心理社会的カウンセリングなどの他の治療法と組み合わせて行うことが、慢性TMD症例の管理において最も有効であることが実証されており、再発防止にも重要な役割を果たします。
TMDを管理する歯科医師は、TMJ関連の筋骨格障害を単なる歯科の問題として扱うのではなく、「整形外科的存在」として捉える必要があります。
顎関節症のポイント
•TMD の管理を成功させるには、正確な診断が不可欠です。
•現在の顎関節症治療の進歩は、古い機械的、咬合治療から、学際的、生物心理社会的治療プロトコルと完全な口腔顔面痛の診断プロセスへと移行しています。
•咬合と TMD の因果関係を証明する有効な科学的証拠はまったくありません。
•スプリント療法や理学療法などの比較的短期的な治療法は、単純な症例では良好な結果をもたらします。
•咬合調整は不可逆的であり、顎関節症(TMD)および慢性顎関節痛の治療において効果は限定的、あるいは全くありません。顎関節症および歯ぎしりの治療を目的とした従来の咬合調整には、科学的根拠が欠けています。
•TMD および歯ぎしりの患者に影響を与える全身合併症を認識し、適切に治療することが重要です。
ブラキシズムの概念は過去数十年間で大きく変化した。
• 現在ブラキシズムは障害ではなく、様々な基礎疾患の影響を受ける筋行動とみなされている。歯ぎしりは現在、様々な基礎疾患の影響を受ける筋行動とみなされている。
• 閉塞性無呼吸発作に対して歯ぎしりは保護的役割を果たす可能性がある。
2025年09月06日 10:58