痛みの二面性(苦、痛 )が慢性化によりそれぞれの特性顕在化
痛みの二面性が慢性化によりそれぞれの特性がよりはっきり40年ぶりに改訂された最新の国際疼痛学会の「痛みの定義」にも示されているように、痛みとは、組織の損傷(tissue injury)やその可能性(有害刺激)を検知し、痛みを引き起こす感覚メカニズム(Nociceptive) により生ずる「不快な感覚・情動体験」です。「感覚・情動体験」とは、感覚体験(sensory)と情動体験(emotional )の両方を含んでいて、「痛み刺激が加わったときの感覚(痛覚:sensory)」に情動(emotional )が相まって「痛み」として感じられるということです。さらに、「痛み(苦emotional痛sensory )」の感じ方はsensory系、 emotionalの修飾を受けて変化するために、必ずしも痛み刺激に比例しません。
この「痛み(苦emotional、痛sensory )」二つの側面が慢性痛では情動が感情(脳が認識・解釈した「持続的な主観的体験」)となりよりはっきりとその特性を示します。
ケガや病気が通常治るのに要する期間(通常3ヶ月以上)を超えて持続する痛みを慢性疼痛と言います。原因が不明な場合や原因が判っていても取り除くことが出来ない場合があり、痛みが「病気そのもの」であります。多くの慢性痛は痛みの信号の発生が続かなくても、情動体験が脳によって認識・解釈されて「感情、持続的な主観的体験」として脳に蓄えられ、さまざまな情報が統合されて、苦痛を感じる状態です。
私の慢性痛のメカニズム仮説として、「痛み(苦emotional、痛sensory )」の二つの側面によって生ずると判りやすくなると思っています。
- 感覚体験(sensory)の元である痛み信号が感覚神経系を刺激して機能変化が生じた状態である中枢感作。
- 情動体験(Emotional )が脳によって認識・解釈されてマイナスの「感情(Feeling)、持続的な主観的体験」として脳に記憶された状態、痛みのPTSDとでもいうべき状態。
慢性痛の解説は別報で解説します。
2026年05月10日 13:28