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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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金子一芳先生を偲んで

10月6日は火曜会の金子一芳先生の追悼講演会と偲ぶ会でした。
皆さんのお話を伺うと私の知っていた金子先生のイメージを遥かに超えるスケールの大きな方だったことが語られていました。ああ、その歳になっても金子先生の様には出来ないなーと思わされてしまいました。
 私が金子先生と知り合ったのは1990年代前半でした。当時火曜会に在籍していた岡先生から、山形である講演会に金子先生が招かれ、もう一人米国からTMDを専門とする人も招かれていて、帰りに火曜会で講演することになっているので来てみないかという誘いでした。当時、米国の先生の話を聞く機会がありませんでしたので飛びつきました。全日、熱海に集合し歓迎会があり、そのまま真鶴の金子先生の別荘に行って夜遅くまでいろいろな質問をしました。その先生が当時のAmerican academy of craniomanidibular disorders を取り仕切っていたUniversity of California SanFrancisco(UCSF)のCharles McNeill先生だったのです。翌日は東京駅の近くの会議室でTMD講演会でした。その時に次回米国の学会に参加する際にUCSFのクリニックに見学させてもらう事をお願いしました。翌年から米国の学会に参加する際はサンフランシスコに途中下車して外来を数日見学させてもらいました。外来でのTMD治療は日本の治療とは全く違うもので、特に筋触診が新鮮でした。その後、コロナでいけなくなるまで、毎年見学させてもらいました。
 この見学が元となって、私のTMD治療、そして口腔顔面痛治療が出来上がりました、かつて、顎関節症の症型分類があり、4型.3型.1型.2型の除外単独診断が行われていた時代は多くの統計発表では最も多い症型は4型か3型でした。ところが慶應の発表は除外単独診断を無視して、患者の主訴の病態に該当する症型を調べていたのでⅠ型かⅡ型が最も多い結果でした。
 このような流れが2000年の口腔顔面痛懇談会の発足の元となり、今現在の日本口腔顔面痛学会につながっています。
と言うことで、金子先生との出会いがなければ私の歯科医師人生は全く変わっていたと考えられるし、日本の口腔顔面痛も変わっていたと思われます。
改めて金子一芳先生の導きに感謝するともに、目標に頑張らねばと思いました。
 
2024年10月07日 20:43