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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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関連学会の先生方へ新刊「痛みの臨床推論」の勧め

このたび『“痛み”の臨床推論 診断過程を可視化するための教科書』と題した書籍を刊行させていただきました。
臨床の場でいかなる症状の患者を診る際にも、無意識のうちに、患者から特徴的な症状パターンを捉えて、瞬間的に「ひらめき」に似た形で今はどのような状況にあるか、次に何をすべきかを考えている、このような思考プロセスがパターン認識法と呼ばれる典型的な臨床推論です。経験を積んだ先生は正確、迅速に診断が出来、非常に効率的です。しかし、経験の少ない先生では診断の正確性が下がります。また、この方法は各自の頭の中で行われているために、自分自身でも検証することが出来ない、また、教育する事が出来ないといった弱点があります。
本書ではパターン認識法、仮説演繹法の診断過程を可視化する事を試みました。これにより、自分の診断を検証する、上級医に検証してもらう、また、診断過程を共有することが出来る利点が生まれます。最終的には診断の正確性を高めることに寄与できると思っています。本書の第3章に書かれた痛みの症例診断では、パターン認識法での診断エラー、次に仮説演繹法での正しい診断を得て、パターン認識法での診断エラーを省察して次の診断に活用するという手法を解説してあります。口腔顔面痛の臨床において複雑な症状の中から正しい診断をつきとめるために臨床の場での必要性から生まれたものです。
歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に、歯科では初めて「臨床推論」が加えられました。目的として書かれていることは、臨床の場において「問題の同定から治療やマネジメントに至るプロセスを論理的に思考する事」であり、本書はここで述べられている論理的思考プロセスを臨床術式として具現化したものとなっています。
毎日の臨床に可視化された論理的診断法を取り入れていただきたいと思います。
 
 
2024年10月05日 09:31