海外からの患者さん 感覚検査、筋触診されていない
最近海外からの患者さんがポツポツ、全員当院のホームpageを観てきてくれます。最近のPCシステムの進歩により、pageが簡単に翻訳出来る様になったり、書類にスマホをかざすと翻訳できたりと非常に便利になっているのですね。その中で気になる患者さんを紹介します。根管治療で後の痛みが生じ、抜歯したが痛みが収まらず、アミトリプチリン、プレガバリンが処方され、上限まで増量した効果が出ないという訴えでした。通常通り、OFPの網羅的診査を行います、歯原性-異常なし、感覚検査-触覚診査、痛覚検査 異常なし、12脳神経検査-異常なし、筋触診-咬筋、後頸部の筋に強い圧痛、関連痛あり。
歯原性、神経障害性疼痛、は否定され、咬筋に筋・筋膜性疼痛による歯痛が当てはまる。極々一般的なOFP症例です。そこで、口腔内、痛い部位の感覚検査を受けた事があるかと聞くといろいろ検査は受けたがこのような簡単な検査は受けた事が無いとの返事、次に咬筋を触診して、タウトバンドがゴリゴリしながら、この痛いところを触られた事があるかと質問、自分では時々痛いところに触っているが診査では触られた事がないとのことでした。
6月にフィリピン、インドネシアに行った時には感じた事ように、OFPの網羅的診査をパッケージにして、通常の診査で診断が出来ない患者さんに必ず実施するように、日本は元より、海外にも勧めていきたいと思います。
日本でも下顎智歯抜歯やインプラントによる下歯槽神経損傷による外傷後神経障害性疼痛が問題になっています、東南アジアのインプラント熱も高まっています。その中で、歯科医師が起こしてしまった口腔内の問題は歯科医師しか診断出来ず網羅的診査は必須と思います。
また、根管治療の際に開口保持するために筋緊張が高まり、筋障害の素因がある場合には筋・筋膜性疼痛となり、歯の痛みなのか、開口保持による筋・筋膜性疼痛なのか判らなくなり、改善しないために抜歯となったが、痛みだけ残っているという症例も診られます。根管治療後、アゴが疲れませんか、治療の後に痛みがひどくなりませんかと質問し、あるとの答えがあったら、筋触診してみましょう。
口腔内の感覚検査、咀嚼筋の筋触診、難しいことではありません、一度、日本口腔顔面痛学会のハンズオンセミナー等を受講してみてください。
2024年08月17日 10:54