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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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4月新年度前期の予定

東京はサクラが散って、連日25度近い気温です。
クリニックの向かいにある鹿島ではすがすがさが感じられる新入社員が研修のためにまとまって移動していて、4月だなと感じられます。
4月、いくつかの出来事がありました。
今週デンタルダイヤモンドの担当の方と会って、2023-2024年の二年間、皆さんにご協力頂き、月刊ダイヤモンドに連載した「症例に学ぶ診断マスターへの道」を成書にしたいと言うことで、相談し、8月までに編集し直し9月1日発行と言う事になりました。症例の順番を少し入れ替える程度で、それほど手間は掛からないようです。令和4年の医学、歯学モデルコアカリキュラム改訂で、新たに臨床推論が教育項目に取り入れられました。ところが、ちゃんとした教科書はない状況で、各大学の講義担当者は困っている状況です。教育シラバスを作るのに参考になる内容も加えて発刊できれば良いなと思っています。
もう一つは、6月に久し振りにPhilippines、インドネシアに出かけることになり、セミナープログラムを考えて、昔の講演スライドを探したり、新たなスライド作ったりしています。英語のスライド作りながら、コロナ以来ちゃんと英語しゃべっていないし、ちゃんと話せるのかなと不安が浮かんでいました。その不安が拡がったのかどうか、先週から立て続けに英語しかしゃべれない初診患者さんが2人来て、しばらく英語の練習をしてもらうことになりました。笑ってしまいました。

臨床においては、急性痛治療体制から慢性痛治療体制への意識改革です。私のところを受診する患者さんのほとんどは、病歴3ヶ月以上で慢性痛です。その中で、適切な治療を受けていないために慢性化しているものはちゃんと治療すると改善します。ところが、訴える痛みに相応する身体的異常、治療すべき病態がはっきりしない、あるいは無いという状況があります。この場合には、従来の歯科治療のようにどんどん治療を進めれば改善するのかというと全く的外れです。認知行動療法を柱とする心身医学的対応が必要と言われています。ここで壁が見えます、削る、詰める、被せる、入れると言った従来の歯科治療から心身医学的対応に切り替えられるのか。かなり先進的なプログラムを企画してきたAAOP(米国口腔顔面痛学会)の今年のプログラムを見ても痛覚変調性疼痛とか認知行動療法、心身医学的対応などは見つかりません。否定的ではないでしょうが、切り替えは難しいのだと思います。今後どうやって口腔顔面痛の臨床を心身医学的対応に展開して行くべきか、いよいよ切り替えが迫って来ていると思っています。
2024年04月21日 19:47