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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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帯状疱疹ワクチン テレビコマーシャル

この頃、テレビで50歳以上の人への帯状疱疹ワクチンのコマーシャルをよく観ます、それにはしっかりした理由があります。
それは、子供への水痘ワクチン接種が普及して、子供の水痘がほとんど無くなったことに起因しています。従来は、家庭で子供、孫の水痘発症が帯状疱疹抗体価が下がってきた両親、祖父母で抗体増加のブースター効果を発揮して、両親、祖父母の帯状疱疹発症を予防していました。ところが、近年の水痘ワクチン接種によって子供の水痘発症が無くなったことにより、両親40歳代、祖父母50歳以上での帯状疱疹抗体増加のブースター効果が発揮されなくなり、抗体が上がること無く、帯状疱疹が発症してしまう事が増えています。
高齢で帯状疱疹を発症すると、60歳以上では約半数で帯状疱疹後神経痛に移行すると言われていて、現在は都合の悪い状況になっています。帯状疱疹自体が非常に痛そうですが期限があります。ところが帯状疱疹後神経痛は神経障害性疼痛であり、終わりが見えない慢性の痛みです。三叉神経領域でも顔面、口腔内に発疹する帯状疱疹が多く、中には顔面神経にも罹患し三叉神経の帯状疱疹後神経痛と顔面神経麻痺の後遺症が出る人がいます。非常に大変です。
現在、50歳以上の人には帯状疱疹の予防接種が出来る様になっています。
ワクチンには二種類あって、従来から用いられていたのは子供向けの水痘予防生ワクチン(一回7-8千円)、もう一つは、組み換え帯状疱疹ワクチン(一回2万円を2回)です。費用は地域によって公的補助金が出るところがあります。
この二つのワクチンの有効性に関する論文があります。単純には 組み換え帯状疱疹ワクチンの有効性が圧倒的に高いです。
生ワクチン
帯状疱疹の発症予防の有効性は、時間とともに減弱していた。接種後30日以上1年未満には67.2%(95%信頼区間65.4-68.8%)だったが、1年以上2年未満には49.6%(47.4-51.7%)に、10年以上12年未満には14.9%(5.1-23.7%)まで低下していた。
 帯状疱疹後神経痛予防については、接種後30日以上1年未満が83.0%(78.0-86.8%)で、10年以上12年未満には41.4%(16.8-58.7%)だった。
 
組み換え帯状疱疹ワクチン
接種後の期間別にみた帯状疱疹予防有効率は以下のとおりであった(1回接種の有効率vs.2回接種の有効率)。
【30日後~1年未満】70% vs.79%
【1年後~2年未満】45% vs.75%
【2年後~3年未満】48% vs.73%
【3年後以降】52% vs.73%
 
費用対効果、何回注射を受けるかを考えると、組み換え帯状疱疹ワクチンが良さそうですね。
2024年02月05日 21:00

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