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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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痛覚変調性疼痛の診断基準を元にして中枢感作との関連を考える

痛覚変調性疼痛診断法
中枢感作とは
国際疼痛学会の現在の中枢感作の定義に従えば、中枢感作とは「正常または閾値以下の求心性入力に対して、中枢神経系の侵害受容ニューロンが増加した反応性」という意味になるはずです。つまり、中枢感作とは侵害受容性疼痛に関連する現象の変化のメカニズムとして用いるべきと言われています。
 
痛覚変調性疼痛のなかの中枢感作の位置付け
痛覚変調性疼痛発症への中枢感作の関与する部分を具体的にあげるならば、痛覚変調性疼痛の診断基準の「2. 痛みのある部位に疼痛過敏の既往がある。以下のいずれか1つ。触覚敏感、 圧覚敏感、 運動敏感、 熱、冷敏感」である。ここであげられている「触覚敏感、 圧覚敏感、 運動敏感、 熱、冷敏感」は侵害受容性の変化で、過敏になったのは中枢感作によると考えられます。
また、「4. 誘発性疼痛過敏現象は、痛みのある部位で臨床的に誘発されることがある。
以下のいずれかである。静的機械的アロディニア、 動的機械的アロディニア、 熱または冷感アロディニア、 上記のいずれかの評価後に残遺症状が残ること」、誘発性疼痛過敏症状はまさに侵害受容性疼痛の変化であり、中枢感作が関与すると考えられます。
他方、「3. 併存疾患がある。以下のいずれか1つ。音、光、においに対する感受性の亢進、 夜間頻回の覚醒を伴う睡眠障害、 疲労、 集中力の欠如、記憶障害などの認知的問題」、は侵害受容性神経系に関連して生ずる現象ではないので中枢感作の結果とは言えないということになります。
痛覚変調性疼痛の発症メカニズムを分析する
上記したように痛覚変調性疼痛は診断基準の2、4で侵害受容神経系が中枢感作により生ずる変化であるが、「3. 併存疾患がある」に含まれる症状は中枢感作以外のメカニズムにより生ずるものであり、痛覚変調性疼痛の発症には侵害受容性神経系への中枢感作だけではなく、もっと広く神経系が変化した結果であると考えねばなりません。
 
中枢感作プラスアルファのメカニズム
この詳しいメカニズムは不明で、とりあえず、脳機能変調とでも名付けておきます。
この先のメカニズムを考えるに当たって、中枢感作症候群とでも呼ばれる症状群を調べてみました。
中枢感作症候群(central sensitivity syndrome)とは
中枢感作症候群とは、中枢感作の症状を持つと「推定される」非器質性疾患(例:線維筋痛症や/慢性疲労)の包括的な用語として提案されたものです。
しかし、冒頭に書いた国際疼痛学会の中枢感作の定義から明らかに逸脱していますから中枢感作の症状とは言えません。
 
中枢感作症候群調査票(Central Sensitivity Syndrome Inventory)CSI
「中枢感作症候群(central sensitivity syndrome (CSS)に関連することが多い主要な身体的・感情的な訴えを評価するために」開発された質問票で、世界中で広く使われています。
この中枢感作症候群調査票で評価される「推定の」中枢感作の症状には、睡眠障害、集中力低下、光やにおいへの過敏性、ストレスなどが含まれます。 これらの症状は侵害受容性ではないので明らかに中枢感作ではありません。   
 
中枢感作症候群調査票を利用した論文を読むと、論理の飛躍があり、中枢感作症候群を調査したはずなのに、論文の結論等で中枢感作を評価したことになっています。
1)中枢感作が、非侵害受容系における反応の亢進を説明するために用いられている(例:音、光、におい)。
2)中枢感作があると中枢感作症候群調査票で高得点となり、中枢感作症候群調査票で高得点であれば中枢感作であると解釈されるという論理の飛躍があります。
 
このような中枢感作症候群調査票を用いた研究には科学的論理の逸脱があるのですが、中枢感作症候群を中枢感作とは別物、中枢感作プラスアルファのメカニズムにより生じた症状と考えれば、ここから何か手がかりが得られそうかなという気がしています。
今のところ、泥沼なのか、金の山かは皆目見当がつきません。
 
 
2023年02月28日 16:52

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