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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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口腔顔面痛専門医による顔面神経麻痺診断

頬筋について
頬筋は表情筋の一つで、口腔粘膜の裏打ちをしている筋肉です。他の表情筋と同様に口輪筋に停止し、その機能は口角を外側に引くという表情筋本来の機能の他に、咀嚼時に下顎の動きに呼応して頬粘膜を緊張させて食物を歯列に載せる咀嚼筋と思われる機能も有している興味深い筋肉です。
ここまで読んでも頬筋について思い出さないと思いますが、歯科教育の中で総義歯の人工歯をニュートラルゾーンに配列する様に指導されていて、このニュートラルゾーンは口蓋側からの舌圧と頬側からの頬筋の圧力の均衡する帯域であるということで、頬筋の存在、機能については皆さんが知っているはずです。
本稿では頬筋の解剖、神経支配について詳しく解説し、その機能の特殊性から口腔顔面痛的な顔面神経麻痺の有用な所見が得られる事を述べます。
 
【起始停止】
起始:上顎骨の大臼歯部における歯槽突起頬側面と、下顎骨の大臼歯部頬側面の頬筋稜
停止:口輪筋に合流。
 
【神経支配】
頬筋は顔面神経の頬筋枝により支配されています。
三叉神経第3枝の枝に頬神経があり、咀嚼筋である外側翼突筋の運動神経支配をしています。咀嚼筋は全て、三叉神経の枝である下顎神経の支配で、表情筋は全て顔面神経の支配で、顔面神経の枝の頬筋枝と三叉神経の枝の頬神経は別物です。ただし、頬筋の知覚は頬神経が支配しています。
 
【頬筋の臨床的側面】
頬筋は表情筋としてだけでなく、咀嚼時に頬粘膜を緊張させて食物を歯列に載せる働きで咀嚼運動と連動した機能も有していることから、顔面神経麻痺で頬筋が緊張できなくなると咀嚼時の頬粘膜が緊張することが出来なり、食塊が口腔前提に貯留したり、緩んでいる頬粘膜が誤咬されることになります。
通常、顔面神経麻痺は表情筋の麻痺により顔貌変化が生じて気づかれやすいが、顔面の表情筋には全く症状がなく頬筋のみの麻痺が生ずることがあり、顔面神経麻痺と診断されないことがある。補綴治療で頬側豊隆が変化等のきっかけがないのに、急に頬粘膜の誤咬を訴えて来院した場合や、歯科治療中の患者で食塊の口腔前庭貯留が認められた場合には顔面神経麻痺を疑うべきで、これが口腔顔面痛を知っている人しか出来ない顔面神経麻痺の診断とも言えます。
 
 
2023年01月12日 20:56

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