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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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臨床推論先取り

2022年1月から月刊デンタルダイヤモンド誌に「症例に学ぶ診断マスターへの道」として、症例を挙げてパターン認識法で診断エラー、仮説演繹法で正しい診断、最後に全体を省察する体裁で連載している。好評につき2023年も続くこととなった。
文部科学省から2022年11月に公表された「歯学教育モデル・コアカリキュラム(2022年度改訂版)」の最大のトピックスは臨床推論が取り入れられた事である。そして、「臨床推論では可能性のある症候や病態から原因疾患を鑑別診断するプロセスが重視され、原因疾患を単純に全て暗記することを期待しているものではない。」と記載され、直感的思考(パターン認識法)から分析的臨床診断推論への改善が求められたと理解される。
本連載の目的は、一般臨床医および口腔顔面痛初学者の痛み診断精度の向である。
臨床医の診断精度を上げるには、知識的な勉強だけではなく、自分でうまく診断できなかった症例、つまり、診断エラーを経験しながら、その症例から学び続ける事によって最も確かな診断能力を獲得出来ると言われていて、これを紙上再現しようという企画である。
痛み診断について特に教育を受けていない一般臨床医に対して、ややこしい痛みを診る際に、直感的思考(イメージ診断、パターン認識法)に加えて分析的臨床診断推論を用いて診断に当たって欲しいという意図から、具体的に症例を挙げて、パターン認識法で診断エラーした後に、代表的分析的臨床診断推論の仮説演繹法を用いて正しい診断に至る過程を解説している。パターン認識法には各種の認知バイアスが入り易く、特に、忙しい、体調不良、周囲があわただしい、次の患者が待っているなどの劣状況にある際に認知バイアスが入り込んで診断エラーを起こしやすいと言われている。仮説演繹法で正しい診断を得た後に、パターン認識法ではなぜ診断エラーしたのかを振り返って、次の診断に活かすという省察についても解説している。
表面的にはパターン認識法が良くなく、常に分析的臨床診断推論をしなければならない様に思えるが、、真のねらいは、読者の皆さんが紙上でパターン認識法で診断エラー、仮説演繹法で正しい診断することを経験してもらい、全体を省察することにより、パターン認識法のSouceである症例パターンを増やしてもらい、実際に同様の症例を経験したときにパターン認識法で正しく診断出来るようになってもらう事である。
本連載は「歯学教育モデル・コアカリキュラム(2022年度改訂版)」の臨床推論を先取りしたものであり、今後、学生さんの教育資料にもなり得ると思っている。



 
2022年12月04日 07:40

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