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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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米国の顎関節症事情

開口ストレッチアシストブロック
先日、家族で米国在住の女性の方が一時帰国した際に、顎関節症の精査を目的に受診されました。現地では半年ごとに口腔チェックとScalingをしてもらっているとのこと。衛生士さんが約1時間かけて丁寧に治療してくれるそうです。ところが問題はその治療を受けた後が大変で、1週間くらい食事が出来ないほどアゴが痛くなるそうです。海外在住で気軽に歯科治療を受けることが難しい状況なので半年ごとの口腔チェックとScalingは絶対受けなければならない事だと思っているが、その後のアゴの辛さを考えると受診前は憂鬱になるそうです。このアゴの辛さを訴えると主治医は印象して顎関節症にはこれが有効と分厚いマウスピースを作ってくれるそうで、その時、決まって、「顎関節症は専門ではないので、これ以上の治療は専門医を探してください」と言われるそうです。そして、近くには顎関節症を専門とする歯科は無いそうです。
今回の受診の目的は、このアゴの痛み、辛さは何なのか、何で起こるのか、予防法はないのかを確認することでした。米国の歯科医師は顎関節症の診査まったくなしに、病態診断、原因など関係なしにマウスピースを作るようです。米国の一般歯科のレベルは日本と同じだなと思いました。
1)アゴの痛み、辛さは何なのか、2)何で起こるのか。
下顎頭牽引圧迫誘発テストで関節には痛みは有りませんでした。次に咀嚼筋の圧痛検査で左右の咬筋が厚く肥大し、コリコリの硬結があり、そこに強い圧痛が認められました。口腔チェックとScaling後のアゴの痛み、辛さは、約1時間の開口維持により閉口筋の咬筋が共収縮を起こして痛みが出てしまうことが推定されます。また、日常的かみしめにより咬筋が機能性肥大していて、痛みが出やすい準備状態にある事も推定できます。
 
3)予防法として、どうすれば良いのか。
単純には開口時間を短くしてもらう、途中で休憩時間を作り、その時に開口ストレッチをする。治療が終わったら、帰宅して、咬筋部を蒸しタオルでホットパックして開口ストレッチすることを指導しました。また、日常的に開口ストレッチをすることを勧めました。有効で能率的な開口ストレッチは1回30秒で、一日3回行うことが勧められます。30秒の持続開口は共収縮を生ずる可能性があるので、写真のワジマ式開口ストレッチアシストブロックを使うことを勧めます。開口して発泡スチロールのブロックを歯の間に入れて、肩から上をだらんとさせて、アゴを全部ブロックに預けるつもりで30秒です。
 
2022年07月20日 18:39

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