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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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三叉神経痛と有痛性三叉神経ニューロパチーは別物

サマリー
世界で最も用いられている国際頭痛分類第3版の分類である三叉神経痛と有痛性三叉神経ニューロパチーにはいろいろな混乱があります。
この二つは一般的に神経障害性疼痛として一括りされています。和嶋の私見では三叉神経痛と有痛性三叉神経ニューロパチーが別物である事をはっきりさせるために神経障害性疼痛という用語で括らないことを提唱します。
日本口腔顔面痛学会非歯原性歯痛診療ガイドラインでは、三叉神経痛は発作性神経障害性疼痛、有痛性三叉神経ニューロパチーは持続性神経障害性疼痛に分類されています。
Neuropathyニューロパチ(末梢神経障害)は神経の機能的あるいは病理的変化による障害で、特に、一過性の負荷による神経障害ではないと書かれています。単純に言うなら、非可逆性な神経障害と言うことです。一方、三叉神経痛は脳外科での微小血管減圧術を行うとあっさりと痛みが消えてしまいます。可逆性の神経障害だと思います。もちろん、神経障害が移行的で可逆的、不可逆的が混じっている場合もあります。
治療法も全く異なっていて、三叉神経痛は血管圧迫によりむき出しになった神経線維のNaチャネルをブロックするカルバマゼピンが特効薬的に有効です。同様にNaチャネルをブロックする局所麻酔薬の静注でも有効と言う報告があります。一方、有痛性三叉神経ニューロパチーではカルバマゼピンはほぼ無効で、下行抑制系賦活化作用のトリプタノールやシナプス前膜のCaチャネルα-2デルタに作用して伝達物質の放出を抑制プラス下行抑制系賦活化作用のプレガバリン、ミロガバリンが有効です。
推定するに、両者の病態が異なるのでしょう、三叉神経痛は末梢神経の障害、一方、有痛性三叉神経ニューロパチーは例えば外傷後であっても病態は中枢神経系に生じていると言う事です。
神経の問題による痛みであると一括りにする神経障害性疼痛に代わる、良い用語が欲しいと思います。あるいは、神経障害性疼痛という用語を使わないか
2022年05月18日 11:27

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