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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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allodyniaの勘違い 勘違いシリーズ2

検査結果と病態が一対一で結ばれるモノが極く限られています。前号で打診痛、かみしめ痛が歯原性に特異的な症状ではないことを書きました。
アロディニア: allodynia)とは、通常では疼痛をもたらさない痛覚閾値以下の弱い刺激によっても痛みが感じられる感覚異常のことです。日本語では異痛症と言いますが、通常アロディニアあるいは allodyniaと記されます。
アロディニアが神経障害性疼痛に特異的な症状として誤解されていて、感覚検査の結果、アロディニアが見つかると神経障害性疼痛と診断されていることがあります。 これは早合点、診断エラーの場合があります。
アロディニアは片頭痛、群発頭痛でも認められると言われています、ここまで書けば神経障害性疼痛に特異的な症状で無いことが判ってもらえると思います。
口腔顔面痛の臨床においてアロディニアがよく診られるのは、神経障害性疼痛例、筋・筋膜疼痛例と神経障害性疼痛と筋・筋膜疼痛の重複例です。 筋・筋膜疼痛単独でも関連痛が感じられる部分にallodyniaが生じます。

口腔顔面痛専門医に、神経障害性疼痛と診断され、プレガバリン、アミトリプチリンなどの薬剤を処方されているが改善しないと言う症例を診ます。何故、改善しないのかの疑問に答えます。
典型的な症例では、神経経支配に沿ってallodyniaが認められたことから神経障害性疼痛と診断したのだと推定されるのですが、allodyniaに加えて、咬筋、側頭筋に筋・筋膜疼痛があり、圧痛診査によりallodyniaが認められた部分に関連痛が生じます。診断は神経障害性疼痛疑い プラス 筋・筋膜疼痛となります。
このような例の治療はプレガバリン、アミトリプチリンなどの薬剤の処方はファーストチョイスでないだけでなく、薬物療法を先行すべきではありません。神経障害性疼痛と筋・筋膜疼痛の重複例では、神経障害性疼痛に対してプレガバリン、アミトリプチリンなどの薬物療法が奏功しても、筋・筋膜疼痛にマスクされて痛みの自覚症状の改善はありません。筋・筋膜疼痛が重複している場合の治療順番は必ず1.筋・筋膜疼痛、改善後に2.神経障害性疼痛です。
1.筋・筋膜疼痛の治療による痛みが改善し、allodyniaも消失したら、痛み、allodyniaとも筋・筋膜疼痛による症状と理解出来ます。
2.筋・筋膜疼痛の治療により、痛みは完全消失していないが、筋圧痛による関連痛が消失した。allodyniaも残っている。この状況で残っているallodyniaは神経障害性疼痛によると考えて、薬物療法を開始する。
3.薬物療法の結果、自発痛は消失したがallodyniaは残っている場合がある。自発痛は生じないまで改善したが、刺激による誘発痛としてのallodyniaは残っている。完全消失しない場合もあると考え、自発痛が無ければ自然経過を観察すべき。
 
2022年03月28日 17:33

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