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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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歯原性歯痛診査結果の勘違い

痛み診査の結果をどうのように解釈するかは非常に大事なことです。
通常、この診査結果はこのように解釈すると思われている事柄に、勘違いが含まれています。
1.患者さんの「しびれている」の訴えを、診査する側はそれぞれの認識の深さ、こだわり、とらわれなどにより、感覚過敏と捉える場合と感覚鈍麻と捉える場合があります。正反対の理解、捉え方ですから、その後の治療が異なってくる可能性大です。そこで、この 患者さんの「しびれている」の訴えが「感覚過敏か感覚鈍麻」なのかをはっきりさせるべきです。これは他の項目で書きました。
2.歯が痛いという訴えに対して、患歯を同定するために、打診痛、何かを上下の歯にはさんでかみ締めで痛みが出るかどうかを行います。そして、打診痛で他の歯に比べて反応が強い、ある歯でかみ締めたときに痛みが出ると、その歯が原因の可能性ありと判断します。打診痛については後述しますが、かみ締めによる痛みは、歯にかみしめの力が掛かり歯根膜を含めた歯周組織に炎症があって痛みが出たと理解されますが、もう一つ、かみしめの力のもとである咬筋など咀嚼筋の筋痛が関連痛(異所性疼痛)として歯の痛みに感じられる場合があります。 打診痛とかみ締め時痛が重なったら歯原性か、 まあ、確率的には歯原性と言えると思いますが、咀嚼筋の筋・筋膜疼痛があって、歯に関連痛が続いていた場合には歯根膜の感作により打診痛 プラス かみしめ時の咀嚼筋痛が起こる場合もあるので 例外もありうるということになります。
2-1、この結果の勘違いを無くすには、 筋触診をすることです。
筋触診によって筋肥大、硬結、圧痛があり、歯に関連痛が生じた場合には筋・筋膜疼痛による打診痛も出る可能性が高く、要注意です。
可能ならば筋の圧痛部分、トリガーポイントに局所麻酔をして、圧痛による関連痛が消えることを確認した後にかみ締め試験を行い、歯痛が出るかどうかを確認する。筋への局所麻酔前はかみ締め試験で歯痛が出たが、局所麻酔後のかみ締め試験では歯痛が出ない場合にはその歯痛は筋・筋膜疼痛による歯痛だったという事になります。
局所麻酔後のかみ締め試験でも歯痛が出た場合には歯原性の可能性が高いと判断できます。最終確認は歯痛のに局所麻酔をすれば確実に診断できます。

 
2022年03月28日 11:16