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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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矯正治療による関節痛性顎関節症の発症

世界的エビデンスとして、矯正治療がTMDの治療にならない、矯正によって歯並びをきれいにすることがTMDの予防にもならない。一方、矯正治療がTMDの原因にならない、ということです。
ここからは個人的見解です。矯正治療において、必要、十分条件が揃うとTMDが発症する可能性があるという私見です。
必要条件:1.全身Hypermobility(簡単な検査法:手首を屈曲させて、親指が手首につくまで曲がるかどうか)and 2.歯ぎしり(犬歯、その前後の切端に削れた後がある、専門的には形状突起部に圧痛がある) 1and2で両方を満たすこと。
十分条件:側方ガイドがなくなる(ガイドがなくなることにより、側方運動時に反対側の下顎頭の動きが回転が減って滑走が多くなる、その結果、前方滑膜が圧迫されて機械的炎症を生ずる)。
側方ガイドが無くなる一番の原因は経時的変化として歯ぎしりによる咬耗です。これが関節痛性顎関節症の一番の原因と思われます。
ところが、側方ガイドが無くなる原因が加わりました。マウスピース矯正です。 上下顎にマウスピースを入れることにより、一気に側方ガイドが無くなります。
そのために、必要条件の全身Hypermobility、歯ぎしりを有している人が上下顎にマウスピースを入れることにより、下顎頭の前後方への滑走が大きくなります。特に前方に滑走したときに靱帯、筋肉により上方に牽引されているために、関節反力が強くなって、前方滑膜に炎症が生じます。
対処法はこれまた私見ですが、上顎マウスピースの即充レジンで犬歯部に側方ガイド(犬歯誘導)を付与することです。毎週マウスピースを交換するので、月に一回来院してもらい4-5個まとめて側方ガイドをつけています。
症例(要約):高校生 必要条件:全身Hypermobility and 歯ぎしり満たす。
上下顎にマウスピースを入れて一週間後に左側顎関節痛発症、3ヶ月後に来院、上記メカニズムが想定されたので、上顎マウスピースに側方ガイド付与、二週間後に関節痛改善
全部の上顎マウスピースに側方ガイド付与し、関節痛再発無く経過していたが、次のマウスピースの届かなく、同じマウスピースを一ヶ月以上使っていたら側方ガイド破折、約一週間で反対側の関節痛発症
そのマウスピースに再度、側方ガイドを付与、一週間後に関節痛改善
一ヶ月後、来院、側方ガイドはついていました。関節痛診査したところ、左右下顎頭牽引圧迫誘発テストで痛み無しでした。

 
2022年03月20日 09:17