慢性痛による苦悩への対応法 認知行動療法
器質的痛みの治療にプラスして 認知行動療法•痛みの治療では、最初に炎症などによる侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛などの器質的痛みを原因を探し、それに対する治療を行う。
•痛みは生体サインとして不可欠な身体感覚(痛覚:器質的痛み)と、痛みから生じる苦悩(感情・認知)の両側面を持っている。
•両者は密接に絡み合っており、片方のケアを怠れば、もう片方へ悪影響を及ぼし、痛みを悪化させる。
•一般に、急性疼痛であるほど生体サイン(痛覚)としての要素が大きく、慢性化するにつれ苦悩の要素が大きくなる。
• 痛み(痛覚)への対処と苦悩への対処、両方をバランスよく行うことが重要となる。
苦悩への対応 認知行動療法とは
•慢性疼痛は、最初は生体サイン(痛覚)であった痛みに苦悩が付随するようになった状態と言える。
•認知行動療法では個人の認知、感情、身体反応、行動に焦点を当てる。
•これらの4要素が上手く適応出来ない(非適応的:道理に合わない、うまくいかない)悪循環を作り出すことによって4要素が悪化、持続され、一層痛くなる。
•認知行動療法はこの悪循環を良循環に変えるために、各要素の状態を理解し、歪みを修正することで痛みを管理する。
•認知行動療法は苦悩の原因となる「ネガティブな感情や認知」を「適応的な、現実にそった柔軟な考え方」に変え、痛みに振り回されずに生活できるようになることを治療目標としている。
2021年10月17日 20:13