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口腔顔面痛(原因不明の歯痛、顔の痛み、顎関節症)に慶應義塾大学での永年の経験と米国口腔顔面痛専門医資格を持つ和嶋浩一が対応します

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11月OFPオンラインセミナーNerve combing

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11月の口腔顔面痛オンラインセミナーのトピックスは特発性三叉神経痛の根本的治療としての三叉神経の線維に沿って割を入れる神経内剥離(internal neurolysisまたはnerve combing)という方法が池田先生から自験例を含めて紹介されました。
三叉神経痛は、1)血管圧迫による神経変形を呈する典型的三叉神経痛、2)腫瘍等による圧迫による二次性三叉神経痛と3)明かな原因の認められない特発性三叉神経痛に大別されます。それぞれの根本的治療法として、1)には、血管を神経から離す、つまり減圧(頭蓋内微小血管減圧術K160-2)がおこなわれます、2)には腫瘍等原因になるものの摘出術がおこなわれますが、3)に対しては根本的治療法がないため、薬物療法、ブロック療法での長期管理がおこなわれます。薬物療法は長期になることにより副作用や無効化が生ずることがあります。また、ブロックでは感覚鈍麻が生ずることや再発があり、患者への負担が大きいです。
この状態の特発性三叉神経痛に対して、三叉神経の線維に沿って割を入れる神経内剥離(internal neurolysisまたはnerve combing)という方法を行うオペ法の報告が散見されるようになりました。手術直後85%の患者さんで痛みが消失し、5年後に約半数の患者さんに有効(*1)。この方法を行うと、顔面に違和感、しびれが出ることがありますが、ほとんどの場合日常生活に支障を来さない程度ですだそうです。
日本からも治療報告(*2)が出されています。
抄録:微小脳血管減圧術を施行したが再発, あるいは未治癒の突発性三叉神経痛でカルバマゼピン非耐性の5症例に対して, 再手術の際に三叉神経知覚枝のnerve combingを施行した. 全例術直後からカルバマゼピン内服なく疼痛発作が完全消失したが, 5例中4例 (80%) に三叉神経第3枝領域を中心とした顔面知覚障害が残存した. 術後1~5年の時点で再発を認めずQOLも良好である. 再発三叉神経痛で責任血管が明らかでなく, かつカルバマゼピン非耐性例に対してはnerve combing法は有効な治療法と思われる. なお, nerve combing法を予定する場合は術前に顔面知覚障害をきたす可能性が高いことを説明すべきである.
*1 Burchielら(米国) J Neurosurg. 2015 May;122(5):1048-57.
*2 森 健太郎、難治性三叉神経痛に対する “nerve combing” による治療経験 脳神経外科ジャーナル  2022 年 31 巻 7 号 p. 464-469  https://doi.org/10.7887/jcns.31.464
2022年11月27日 18:06

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